米AMDがデスクトップパソコン向けの新プロセッサ、Athlon XP 3200+を5月初旬にリリースするという計画を立てている。同社の関係筋が明らかにしたもの。新プロセッサの特長の1つは、「システムバスをこれまでの333MHzから400MHzに引き上げている点」(関係筋)という。
AMDは、400MHzのシステムバスを採用することでAthlon XPのパフォーマンス向上を狙っている。プロセッサとメモリなどのシステムコンポーネント間で、データ伝送を高速化するのだ。
先日リリースしたサーバ向け64ビットプロセッサOpteronなど、AMDは新たな64ビットプロセッサの製品系列に力を入れている。しかし、Athlon XPがAMDの主力製品であることには変わりがない。そのため、AMDは米IntelのPentium 4プロセッサに対するAthlon XPの競争力をできる限り保っていきたいと考えている。
アナリストは、「バス速度を向上しただけでも、『Athlon XP 3200+』という名称に値する十分な理由になるだろう」と語る。AMDは製品の名称にプロセッサの動作周波数でなく、全体のパフォーマンスを反映した型番を付けている。「AMDが(Athlon XPの)バス速度を400MHzにした場合、プロセッサの動作周波数を大幅に上げなくても、その型番が示す通りのパフォーマンスが得られることになる」(米Mercury Researchの主席アナリスト、Dean McCarron)。ただし、Athlon XP 3200+では僅かながらだが動作周波数も上がる見込みである。
Athlon XP 3200+のリリースに伴い、多くのメーカーが同プロセッサ採用の動きを見せている。AMDによれば、現行製品であるAthlon XP 3000+のリリース時には、約25社が搭載機を発表した。なお、米Alienwareといった小規模メーカーは、Athlon XPのリリース直後、可能な限り素早く搭載機の販売を始めるのが常となっている。一方、AMDの最大の取引先である米Hewlett-Packard(HP)は自社のスケジュールにあわせて販売時期を決定している。
Opteronの増産や、9月にはデスクトップ向けAthlon 64プロセッサのリリースが控えているとはいえ、AMDにとってAthlon XP 3200+は今年のメイン商品であることに変わりがない。ただしAMDはAthlon XP 3200+によって、これまで以上の試練に直面することになる。Intelのハイエンドパソコンに向けられた新世代チップ、875Pチップセットや3GHz版Pentium 4に立ち向かわなければならないからだ。Intelは今月にも、普及機向けの新たなチップセットを発売する。さらに、3.2GHz版Pentium 4もまもなくリリースする予定である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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