沖電気工業は4月28日に、2003年3月期(2002年4月〜2003年3月)の決算を発表した。連結業績では、売上高が前年同期比3.2%減の5854億円、経常損益は78億円の赤字だが、前年同期の損失額311億円から改善した。最終損益は65億円の赤字となったが、前年同期の赤字額340億円から改善した。
連結売上高を事業分野別に見ると、情報分野が前年同期比4.9%減の3303億円となった。これには、IT市況の低迷、公共投資の抑制、金融機関の投資抑制、また各市場における競争激化といった要因があったと沖電気では説明している。
通信分野は、キャリアの投資抑制、民間設備投資の低迷といった影響を受け、前年同期比17%減の857億円となった。「IP電話サービスや企業向けVoIPは急速に市場を拡大しているものの、既存の通信システムの売上減少をカバーするまでには至っていない」(沖電気)
電子デバイス分野の連結売上高は、前年同期比4.9%増の1192億円となった。半導体市況は昨年の初頭に底入れしているが、その回復の勢いは鈍く、光通信市場向けコンポーネントの需要も冷え込んだままという。その一方で、携帯電話用音源LSI、大型液晶ディスプレイ用ドライバLSIなどが堅調に推移した。
単独業績では、売上高が前年同期比6.7%減の3771億円、経常損益は前期369億円の赤字から153億円の赤字へと改善した。最終損益も赤字だが、赤字額は前年同期の430億円から99億円へと改善した。
沖電気は2004年3月期(2003年4月〜2004年3月)の業績見通しも明らかにした。連結業績では、売上高が6300億円となる見通し。また、経常利益は110億円、最終利益は35億円と黒字転換を見込んでいる。
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