サンが高性能コンピューティングへの回帰を目指す

 Sun Microsystemsが、同社のルーツである高性能コンピューティングへの回帰に向けた活動を開始した。また記者会見の席では、同社の重役にCrayなどの高度な技術を持つ企業の出身者が多くいることもアピールした。

 米IlluminataアナリストのJonathan Euniceは、「自社に“技術指向遺伝子”があるという説明にSunが長い時間をかけるのは、ほとんど誰もそれを覚えていないからだ」と指摘する。「Sunは1990年代中盤に64ビットプロセッサを搭載したサーバ、E10000を発売して以来、ビジネス向け市場に重点を移していた」(Jonathan Eunice)

 Euniceによると、「高性能コンピューティング分野では、多様性が極端に減少しつつある」とのことだ。同氏は、「標準製品でも満足の行く性能を得られるようになり、クラスターやグリッドなどの分散コンピューティングも十分実用的になった」と説明する。こうしたこともあり、高性能コンピューティング技術の開発分野は現在、小規模な企業の専門家たちよりも、むしろ大企業によってけん引されている。Sunのルーツ回帰宣言は、こうした同分野の現状を象徴する出来事なのだ。

 Sunの目標の1つは、SGIから顧客を奪うことにある。SGIは(戦闘機用の)空中戦シミュレーターなど極めて高度な処理を得意とする製品を手がけているが、ここ何年間は財政的に厳しい状態が続いている。「ユーザーはSGIの代わりとなる製品を求めている。当社が2003年2月にリリースしたV880Zサーバは、この市場に向けたものだ」(Sunエンタープライズシステム製品グループ担当上級副社長のClark Masters)

 SunにはSGIよりも大きなライバルがいる。IBMである。米IDCによると、IBMは2001年から2002年にかけて高性能コンピューティング関連の売上高を28%増やした。その規模は13億3000万ドルに達したという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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