電子情報技術産業協会(JEITA)は、平成14年度(平成14年4月−平成15年3月)のパソコン出荷実績を発表、国内出荷台数は対前年同期比8%減の984万台、出荷金額は9%減の1兆6167億円となった。輸出を含めた総出荷実績は、台数は8%減の1042万3000台、金額は9%減の1兆7042億円となった。
「第3四半期時点では平成14年度の出荷台数は1000万台とお話していたが結果はそれを下回った。これは第4四半期に企業需要がもう少し善戦するものと思っていたが、それが伸び悩んだため。しかも、コンシューマも良くない。年度別の落ち込み幅を見ると、少しは良くなってはきているものの、絶対数では減少し、マイナス成長となってしまった。IT投資減税に期待していた部分もあったが、国会を通っていなかったこともあり、PR不足で、第4四半期についてはほとんど効果がなかった」(篠崎雅継PC事業委員長)
形状別では、ノートが前年比5%減の551万2000台、デスクトップが11%減の432万8000台で、引き続きノートの比率がデスクトップを上回った。平均単価についても、「ノートは第1四半期は液晶、メモリの値上げの影響で単価が上がったものの、その後は四半期ごとに単価が下がった。デスクトップは、乱高下を続けたが、とくに第4四半期はパソコンサーバーの価格が大幅に下がり、影響を受けた」とノート、デスクトップともに下降傾向となった。
第4四半期ではノートの平均単価が15万9000円、デスクトップはサーバーの急激な単価下落の影響もあって14万8000円となり、第3四半期に見られたノートの単価がデスクトップを下回る傾向は是正された。
平成14年度第4四半期(平成15年1月−3月)は、総出荷台数が7%減の305万台、金額が12%減の4681億円、国内は台数が6%減の290万4000台、金額が12%減の4471億円。
平成15年度の予測については、国内の出荷台数を4%増の1020万台とした。「正直なところ、あまり芳しい経済環境とはいえない状況で、株安、戦争、SARSによる中国生産へのマイナス影響など、厳しい要因はあるが、世界的には今年度のパソコン出荷はプラスに転じると言われていることを鑑み、悩んだもののこの数字とした」(篠崎委員長)
今年度の需要拡大のキーワードとして、
――を同協会ではあげている。
今年秋から、コンシューマ用パソコンについてもリサイクルがスタートすることで、買い控えが起きるのではないかといった懸念に対しては、「リサイクル価格がパソコン本体に上乗せされることが懸念材料としてあがっているようだが、価格推移を見てもらってもわかるとおり、買い控えにつながるほど大きな負担にはならないのではないか」として、影響は少ないとの見方を示した。
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