電子フロンティア財団の弁護士Fred von Lohmannらが、カリフォルニア州で開催中の技術カンファレンスO'Reilly Emerging Technology Conferenceにおいて、「これからは、企業が新たな技術を開発する場合、他社からの特許権侵害などの訴えを想定して、入念な予防・回避手段を講じておかなければならない」と警告した。
現在多くの企業のあいだで、特許やデジタルミレニアム著作権法(DMCA)などを盾に、競合企業を妨害し、市場シェアを保守する傾向が高まっている。そのため、企業が自社製品の法的問題について、これまで以上に考慮しなければならない状況になりつつある。
「例えば娯楽業界は、著作権法の微妙な解釈の仕方で、脅威となる企業を封じ込めようとしている。米Napsterや米Scourもそうやって閉鎖に追い込まれた」(Lohmann)
Lohmannによると、サービスやユーザーライセンスのほか、自動更新機能などを提供する企業も、知的所有権保持者から訴えられる対象となる可能性があるという。自動更新サービスを提供する企業の場合、「(利用者の)著作権侵害行為の可能性または事実に気付いたら、パッチなどを送付してサービス利用を停止することができるはずだ」と、知的所有権保持者から槍玉に挙げられるかもしれない。「自動更新サービスを実施している米Microsoftなどのソフトウェアメーカーは、こういった事態を想定しなければならない」(Lohman)
また米Fenwick & Westの弁護士、Rajiv Patelは「新興企業も、すでにどんな特許が認められていて、それがどこまでの範囲をカバーするものかについて、充分注意を払う必要がある」と語っている。「経済が停滞する中で、企業は特許を取得し、ライセンス料で利益を得る傾向が強くなっている。また、多数の企業は競合他社を抑止するのに特許を利用している。万が一訴訟となれば、1カ月あたり5万〜50万ドルの費用がかかるため、競合他社が手を引くのを狙っているのだ」(Patel)
現在、ワイヤレス通信、セキュリティ、ナノテクノロジー、バイオテクノロジーなどの市場で特許の奪い合いが起こっているという。「自社の技術を保護するために、どこの企業でも法的な備えを進めている」(Patel)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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