米IBMは、科学分野向け高性能コンピュータの販売強化を図り、サーバ主体の統合営業部門を立ち上げた。名称はDeep Computing。サーバだけでなく、ストレージ、ソフトウェア、サービスも総合的に扱う。
Deep Computing部門の責任者のDave Tureは、「IBMの研究部門と密接に連携していく」と語る。Tureは、グリッド部門とLinuxクラスタ部門の幹部も務める人物だ。
同氏はインタビューで、「高性能コンピュータは、サーバの概念に縛りつけられていた」と述べている。「新部門では、ストレージ、ソフトウェア、ワークステーション、サービスの範囲まで視野を広げ、顧客のための統合ソリューションを構築する」(Turek)
IBMは高性能コンピュータとスーパーコンピュータで売り上げを伸ばしてきた。米IDCの調査によると、2002年の高性能コンピュータ市場は47億ドル規模。IBMの売上高は13億3000万ドルで、首位の米Hewlett-Packard(HP)の15億8000万ドルに次ぐ数字だった。また、HPが2001年の21億ドルから25%減少したのに対し、IBMは2001年の10億4000万ドルから28%も成長した。ちなみに、2002年の第3位は、売上高9億4400万ドルの米Sun Microsystemsだった。
IBMは、ローレンスリバモア国立研究所向けに、ASCI PurpleやBlue Gene/Lなど高速スーパーコンピュータを開発中だ。Deep Computing部門は、同国立研究所のような最先端技術に関わる顧客を開拓する予定だ。「我々は、政府機関の研究所や大学など、ハイエンドの顧客に焦点を当てる。いずれ、デジタルメディア、ビジネスインテリジェンス、生命科学などさまざまな分野にも対象を拡大する」(Turek)
米国では、超高性能コンピュータが注目を集めつつある。これは、NECが米国製をはるかに上回るスーパコンピュータ、「地球シミュレータ」を開発したためだ。「上位マシンの購買意欲は一時停滞していたが、日本で地球シミュレータが開発されたことで、再検討の動きが出ている」(Turek)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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