Apple ComputerのジュークボックスソフトウェアiTunesをピア・ツー・ピアの音楽共有ソフトに変えるアプリケーション、iCommuneの新版が14日に公開された。Appleは今年1月、iCommuneの開発者James Spethに対し契約条件違反を理由に同ソフトのオリジナル版の配布を中止するよう勧告を行った。Spethはこれに従い配布を中止したが、その後Appleのコードを使用しないプログラムの開発を進め、3カ月後ついに前作と全く同機能の新版を完成させ、オープンソースサイトのSourceForgeにポストした。
これによりAppleとの問題は解消されるが、いっぽうネット上での音楽交換を可能にする同ソフトへのレコード業界の反発が予想される。これについてSpethは、全米レコード工業会(RIAA)との間で問題が発生することは確実だが、iCommuneには入手可能な音楽の位置を保存するセントラルサーバが存在せず、またオープンソースであるため普及を食いとめるのは難しいとしている。
新バージョンでは、ユーザーが音楽をストリーミング再生で聴けるだけでなく、ファイル自体をローカルディスクにダウンロードできてしまうため、この点が争点となるのは必死。だが、Speth自身は「別にこのソフトで利益を得るわけではない」との事実を盾に、問題には巻き込まれずに済むよう願っている。
なお、Apple自体では未だ公式に認めていないものの、同社が数週間以内に有料の音楽配信サービス開始を予定しているとの噂は、複数のファン主催サイトなどで先月より伝えられており、また先週末に報道された同社によるUniversal Music買収の可能性を伝えた大手各紙のニュースのなかでも、この計画に触れたものが多くあった。そうした微妙なタイミングでの再登場とあって、このオープンソフトのファイル共有ソフトがどんな影響を及ぼすのかが注目を集めている。
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