カナダのCorelは、オフィス向けソフトウェアWordPerfectの最新版パッケージの販売を開始する。しかしアナリストからは、「競合製品であるMicrosoft Officeに太刀打ちできないだろう」との声があがっている。
WordPerfect Office 11には、ワープロソフトのWordPerfect、表計算ソフトのQuattro、スライドショーソフトのPresentationsが含まれている。最新版はXMLをベースした新機能を多数搭載しており、ドキュメントとバックエンドシステムでデータを共有できる。かつては別売りだった法律文書作成ツールや、Adobe SystemsのPDFドキュメントの作成機能など、専門的な機能も拡張した。また、Microsoftの電子メールソフトOutlookをサポートしている。さらに、ナビゲーションを向上させることで、大容量のドキュメントから特定箇所を検出しやすくした。
WordPerfect Office 11はスタンダード版が299ドルで、旧バージョンからのアップグレード料金は149ドル。データベースソフトのParadoxを加えたプロフェッショナル版は、法人向けにライセンス販売する。教育関係者と学生向けに100ドルのパッケージ製品も用意している。なお、30日間の無料トライアル版を同社サイトからダウンロード可能。対応OSは現在のところWindowsのみだが、今後のバージョンではLinuxなどもサポートする計画だという。
Corelは、政府や法律専門家といった既存のWordPerfectユーザーに加え、市場の大半を占める消費者や小規模企業のユーザーを取り込みたいと考えている。また、法人ユーザーの拡大も狙っている。その意味で、Microsoftがライセンス条件を変更したことに不満を持つ企業が増えていることは好機といえる。WordPerfectは、ライセンスを所有する1人のユーザーが複数のコンピュータにインストールできるからだ。
しかし、調査会社の米Illuminataのアナリスト、Jonathan Euniceは、「Microsoftのライセンス条件に不満を持つ企業は旧版を利用し続けるだろうし、代替製品を求めるユーザーはオープンソースの無料ソフトであるOpenOfficeなどを利用する」と指摘した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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