Hewlett-Packard(HP)は4月11日、2つの大きなアウトソーシング業務が獲得間際であることを発表した。その1つは、消費者向け生活用品の開発・販売を行っているProcter & Gamble(P&G)のデータセンターで、従業員やシステムの全世界160カ国におよぶITインフラ運用サポート。まだ契約完了にはこぎつけていないが、HPによれば、向こう10年間で30億ドルあまりの取引額になるという。最終的な合意は、来月5月になる見込みだ。
もう1つは、携帯電話メーカーのEricssonへのITサービス業務の提供である。金額の詳細は不明だが、取引の最終合意は2003年第2四半期終了までに行われると見られる。
IT業務のアウトソーシングサービスは、見通しの悪い経済状況において、数少ない光明の1つである。調査会社のGartnerの報告によれば、2000年に1010億ドル規模だった取引額は、2005年には1600億ドル規模にまで成長することが見込まれるという。だが同時に、2003年に検討されたプロジェクトの半分は失敗に終わる可能性があることも指摘する。それは、プロジェクトが期待したほどに効果を上げないためである。
HPはこのような状況のなか、IBMやElectronic Data Systems(EDS)、Computer Sciences、AccentureといったITサービス業界の強豪と戦っていくことになる。HPが前述の2社以外に最近受注した大きな取引の相手先として、Telecom Italia、DirecTV、自動車パーツ販売のDelphiなどが挙げられる。
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