Blog読者の力を借りて著作を進めるジャーナリスト

San Jose Mercury NewsのコラムニストDan Gillmorが、Blog読者の助けを借りながら、新たな著書執筆に取り組んでいる。

Sillicon Valley紙のウェブサイトにコラムやコメントを寄稿しているGillmorは、 テクノロジーがジャーナリズムに与えた影響に焦点を当てた本をまとめようとしているが、このなかで現在盛り上がりを見せているWeblogにも触れることになりそうだ(編集部注:Gillmor自身もすでに著名なBloggerの1人に数えられている)。

Weblog(あるいはBlog)は定期的に内容が更新されるウェブサイトで、それぞれの持ち主(Blogger)が見聞きした事柄やニュース、他のウェブサイトへのリンクなどが書かれている。ソフトウェアのコードの書き方を知らなくてもつくれてしまうようなツールが出回ったおかげで、非常に人気が出た。

Gilmorは、自著が出版される前から、中身を読者に見せてそれを批評してもらい、テクノロジーとジャーナリズムとの関わり方についての自分の考えが正しいかどうかを知る手がかりにするつもりだ。

「突然の思い付きで、こういうことを試したわけじゃない。これまでもWeblogを更新してきているが、読者や情報源とのこの種のやり取りも、Blogをつけることの一部だ」とGillmor。「それから、David Weinbergerが'Small Pieces Loosely Joined'という本を書いた時にやっていたことに、すごく興味を惹かれた。Davidは執筆の期間中に、更新したての原稿を毎夜ウェブにポストしていたんだ。ちょうどソフトウェア開発者の連中が、ナイトリー・ビルドとして最新版をリリースするようにね。」

Gillmorには、さすがにそこまで極端なことをするつもりはない。彼は、予定している骨子や原稿をオンラインにポストし、読者がコメントできるようにするという。「読者からもらえる素晴らしいフィードバックはすべて利用し、また力を貸してくれた人たちの名前はかならずクレジットに載せる。そうして本に盛り込むレポートの一部にこのやり取りを使うつもりだ」。

物書きが実験的にオンラインで原稿を公開するのは、これが初めてではない。Weinbergerの本についての議論はいまだにウェブ上で続いており、さらにJane's Intelligence Reviewというサイトは、技術系の話題で盛り上がるSlashdotサイトの読者に対して、サイバーテロについての記事を書くのに力を貸すよう呼びかけた。

「あれを目にして、アイデアが閃いたんだ。何かの話をまとめる時に、自分よりよく知ってる人たちの力を借りればいいんだってね」とGillmor。Blogglerのコミュニティは、メインストリームのメディアがそうした話題を扱う際に、大きな影響力を持っているとGillmorはいう。

日誌のような、自分が見聞きした身のまわりの出来事を綴ったBlogも多くあるが、その他にニュースや政治の動向を追う無数のサイトを含めて、驚くほど多種多様な話題を扱ったサイトが存在している。

「Bloggerやその仲間たちは、彼らの掌中にあるこの新たなメディアがどれほど大きな力を持つかを、すでにはっきりと示した。Blogは新たなかたちのジャーナリズム、そして社会に積極的に関わろうとする動きを現しており、南部ミシシッピ州選出のTrent Lott共和党上院院内総務をめぐるスキャンダル--2002年末に、人種差別的発言の責任を問われ、辞任に追い込まれた--の際にBlogが果たした役割の大きさは、すでに一般の人たちでも感じ取っていることだ」と、Gillmorは自らのウェブサイトに公開した自著の初稿のなかでそう記している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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