ドイツのSAPが今後3年間にわたり、インドに1億2000万ドルの投資を行なう計画を明らかにした。インドのビジネス誌Financial Expressが、SAPインド子会社の代表兼マネージングディレクター、Alan Sedghiからの情報として伝えたもの。
同誌掲載の記事によると、SAPは今後3年間でインドの事業規模を3倍に拡大する予定だという。米国のSAP幹部職員は「記事の内容は確認できなかった」としながらも、「SAPにとってインドは非常に重要なマーケットだ」と述べている。ちなみに、2002年の同社の総売上高は70億ドル以上だが、インドでの売上高は1620万ドルと比較的小さい。
インドなどのアジア諸国には、SAP以外にも多くのハイテク企業がマーケティングや開発などの拠点を置いており、その数は増える一方だ。SAPのライバルであるOracleやJD Edwardsは昨年、インドのソフトウェア開発スタッフの増強を発表した。また、Hewlett-Packard(HP)、IBM、EDSは、人件費が安く、学歴の高いインドのIT労働力を利用し、コスト削減を押し進めている。
SAPは、1996年にインドで正式に販売店を開設。1998年にはソフトウェア開発センターを立ち上げて、現在500名以上のスタッフを採用している。さらに「2003年はインド人の開発スタッフを数百人増員する予定だ。現在は最大1000人を雇用できる、敷地面積15エーカーのキャンパスへの移転を行っている途中だ」(同社)という。
ハイテク企業がインドに投資する理由は2つ。1つは売上高の創出、もう1つは開発費の削減だ。例えば、米国企業の多くはコールセンター運営をインドの企業に外注している。そのため、コールセンター向けのソフトウェア市場がインドで成長するのは、当然の流れとなる。この種のソフトウェア市場では、SAPとOracleがしのぎを削っている。また「インドでは優秀なプログラマーが年収約2万ドルで雇える」(HP)ため、開発費も浮くというわけだ。
米Forrester Researchが昨年11月に発表した報告書によると、米国のコンピュータ関連の雇用口がインド、ロシア、中国、フィリピンなどに流出しているという。米国から海外に流出するコンピュータ関連職は、2000年の約2万7000人分から2015年には47万2000人分以上に増大する見通しである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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