スウェーデンのMySQLは、ベンダー独自のソフトが幅をきかせるデータベースソフト市場に、同社のオープンソース・ソフトウェアMySQLで参入を試みている。120億ドル規模の同市場はこれまで、米Oracle、米IBM、米Microsoft、米Sybaseといった大手企業の独壇場だった。
MySQLの共同設立者であるDavid Axmarkは、米国時間4月10日より開催している初のユーザー向けカンファレンスの基調講演で、「MySQLをダウンロードするユーザーは毎日2万9000人を超え、世界中に400万人以上のユーザーがいる」と述べ、同社の市場参入が実現可能であることを強調した。
「当社はこの2年間で、社員数を20人から約65人へと増員しており、市場で確実に力をつけている」(同氏)
ソフトウェアメーカーの米Arkeia、CRMソフトウェアを手掛ける米SupportWizardや米TechExcelは、MySQLデータベースに対するサポートを4月11日に表明するという。
MySQLは、有償と無償の2つのライセンス体系を採用している。無料でソフトウェアを入手したユーザーは、ソースコードに加えた変更を公開しなければならない。有料で入手した場合は、変更を公開する必要はない。同社は、有料版の販売と、サービスや資格認定コースの提供によって収入を得ている。
米Meta GroupのアナリストのCharlie Garryは、MySQLがオープンソース・モデルをとりまく不安と混乱を解消できれば、データベース市場でシェアを得るのも不可能ではないとみる。「MySQLは、大手企業を追い上げるために、オープンソースと商用ライセンスを併用してソフトウェアの迅速な普及を図っている」(同氏)
MySQLは、開発サイクルの短縮化を軸に攻勢をかけるという。同社は現在、MySQL 4.1と企業ユーザー向けのMySQL 5.0に注力している。MySQL 5.0のソースコードは今回のカンファレンスで発表した。
MySQL 4.1で追加される機能は、メモリ割当を行う高速なキーキャッシュ、より詳細な検索を実行するサブクエリー、そして出会い系サイトなどで需要がある地理的データに基づいた検索など。MySQL 5.0ではさらに、問題発生時の通知機能やコマンドの保存機能などが加わる。
しかし、これらの機能の多くは大手ベンダーも提供している。このため同社は、オープンソースであり、低価格であるという点で差異化を図ろうとしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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