マルチメディア総合研究所は4月10日、02年度の国内携帯電話端末出荷概況を発表した。それによると、2002年度はかろうじて4000万台を超えたものの、前年度実績を207万台(4.8%)割り込む4096万台にとどまった。
特に2002年上期の出荷数が前年同期比16.3%減の2015万台となったことが大きく響いた。下期はカメラ付き携帯の登場で市場が活性化し同9.8%増の2081万台に回復した。上期が大きく落ち込んだのは、01年度下期から始まった電気通信事業者の在庫調整が02年度上期まで続いたこと、新規加入者の伸び悩みなどが要因。
メーカー別シェアをみると、NECの出荷数が853万台となり、前年度から2年連続で首位を維持した。N251i、N504iSといったNTTドコモ向けカメラ付き端末のヒット製品があったことが要因だが、N504iSに発熱事故があったことが影響し、前年度の1191万台、シェア27.7%に及ばなかった。
各社の02年度におけるシェアは、NEC(20.8%)、パナソニックモバイル(17.8%)、シャープ(12.5%)、東芝(9.0%)、三菱電機(8.3%)、富士通(8.2%)、三洋電機(7.8%)、ソニー・エリクソン(6.4%)となる。
一方、2002年末の携帯電話加入者は7565万契約件数に達し、同社は「市場には飽和感が高まった」としている。年間の純増数も653万件にとどまった。「新規加入者が増えないために携帯電話端末市場は買い替え需要に支えられる構造になっており、魅力的な機能を持った端末が登場しなければ市場拡大は望めない」(マルチメディア総合研究所)とみる。
今後はカメラ機能・ムービー機能・GPS機能とその高度化を求めるユーザーによって買い替え市場が生まれるものの、端末市場は安定期に入り、2003年度は微増の4130万台、2004年度は約2%増の4210万台と、ほぼ横這いで推移すると見られる。
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