米Network Associatesは米国時間4月4日、侵入防止技術の米Entercept Security Technologiesを1億2000万ドルの現金で買収することを発表した。同社は4月1日にも、同じく侵入防止技術を提供する米IntruVert Networksの買収を発表したばかり。
Enterceptは、特定のサーバを狙った攻撃を未然に防ぐホストベースの侵入防止技術を提供している。同社の技術は、攻撃が行なわれてから侵入を検知して報告するのではなく、行動規則と署名の組み合わせをもとに、未知および既知の攻撃を防ぐ。またIntruVertは、ネットワーク上のトラフィックを監視し、悪意のある行為を示すデータを判断し、攻撃を検知する技術を提供している。
米First AlbanyのアナリストのMatt Barzowskasは、これまでコンテンツフィルタリング技術一辺倒だったNetwork Associatesが、両社の買収により新市場で地歩を固め、セキュリティ製品を幅広く揃える米Symantecと競合するようになるとみている。
ここ最近、セキュリティ市場においても完全なITパッケージを求める米国企業が増えており、アナリストらは最高セキュリティ責任者(CSO)を置く企業が増加するにつれて、この傾向が強まっていると指摘する。CSOは、外注のIT企業数を減らし、会社が所有するセキュリティ技術間の互換性を高める方法を模索しているからだ。
侵入検知はセキュリティ市場で重要な分野の1つで、現時点ではSymantecが1歩先んじている。しかし、ライバルはSymantecだけではない。米Cisco Systemsは1月に、ネットワークベースの侵入検知企業を1億5300万ドルで買収している。また、米Internet Security Systemsも侵入検知分野に注力している。
Network Associatesは侵入防止技術分野で足場固めに取り組んでいるが、中核のコンテンツフィルタリング事業をなおざりにしているわけではない。1月にはアンチスパム・フィルタリング・ソフトウェア企業の米Deersoftの買収計画を発表した。また、アナリストらは、同社がウェブフィルタリング技術の企業を買収して、製品の幅をさらに拡充する可能性があるとみている。
なお、Network Associatesは昨年8月に、リアルタイムのネットワーク監視ソフトウェアの米Traxessを買収している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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