ガートナージャパンのデータクエスト部門は、2002年の日本プリンタ市場の出荷調査結果を発表した。それによると、2002年の出荷台数は699万6000台(対前年比9.4%減)、売上高が3475億7100万円(同13.8%減)となり、2001年に続いて2年連続マイナス成長となった。景気低迷により、企業が引き続きIT投資を抑制していることに加え、パソコンの個人市場における新規需要の減退感が背景がある。また、インクジェットプリンタに複写機能やスキャナ機能を付加した複合機の販売が増加したことも、プリンタ市場のマイナス成長の要因と考えられる。
印刷技術別では、インクジェット、モノクロ・ページ、シリアル・インパクト・ドット・マトリクス(SIDM)のすべての市場が前年比マイナスとなった。唯一プラス成長となったカラー・ページプリンタ市場でも、出荷台数の増加はわずか0.9%に留まった。
ベンダーの市場シェアをみると、2001年から順位に変化はない。ただ、上位2社のエプソンとキヤノンがそれぞれ45.6%(前年比2ポイント増)、39.1%(同3.5ポイント)とシェアを拡大した。両社はインクジェット・プリンタ市場で合計84.7%のシェアを占めており、寡占がさらに進んだ。
なお、2003年の日本プリンタ市場は、景気回復の兆しが見えないこと、企業のIT投資抑制が続いていることなどから、2002年に比べて出荷台数で2〜3%、売上高で5%程度減少するとみられる。しかしカラー・ページプリンタは価格下落と製品増加が予想され、順調に推移するとみられる。その出荷台数は今年に比べ10〜15%増加する見込み。
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