ブッシュ米大統領、インターネットも機密扱いに

 George W. Bush米大統領は米国時間3月25日、政府が機密扱いにできる情報に関する定義を変更した。政府はインターネットなどの基幹インフラや大量破壊兵器、国際テロリズムに対する防衛に関する情報を重要度に応じて機密扱いする権限を持つようになる。

 これはBill Clinton前大統領が1995年に署名した命令書の改編となる。Clintonは「一度機密情報のリストから外れて一般公開された情報は、再び機密扱いにはできない」としていたが、Bushは再び機密扱いにできることに変更した。また、Clintonの命令書において、機密情報の7つのカテゴリーの1つに「システムの脆弱性や能力、軍事施設、国家防衛に関するプロジェクトや計画」があったが、Bushはこの定義を拡大した。新しい大統領命令では、「システムの脆弱性や能力、軍事施設、インフラ、国家防衛に関するプロジェクトや計画、国際テロに対する防衛を含む軍務」となっている。

 電子プライバシー情報センター(EPIC)の相談役のDavid Sobelは、変更の理由が理解できないと述べている。国家安全保障に関する科学、テクノロジー、経済情報を対象とする既存カテゴリーでも、インターネットなどの基幹インフラの情報を含むことができるからだ。また、科学者連盟(FAS)のアナリストのSteven Aftergoodも、「以前の命令書でも同じことを許可できただろうに」と疑問をとなえる。

 情報公開法のもとで政府に機密情報書類を公開することを求める訴訟が起きると、機密情報の定義が論点となることが多い。新たな大統領命令の狙いは、政府の機密情報の決定を法廷で弁護する立場の米司法省に、答弁の余地をより多く与えることにあるのだろう。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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