インテルは、2003年のエンタープライズ事業の展望について記者説明会を開催、「Itaniumを採用する企業が増加するなどエンタープライズ領域でのIAサーバーの評価が高まっていることから、製品計画を前倒しにして新製品を投入する」(プラットフォーム&ソリューションズマーケティング本部・町田栄作本部長)とした。
同社は調査会社などが発表するサーバーシェアにおいて、「IDCの調査では2002年第3四半期では全サーバー出荷の88%をインテルアーキテクチャのサーバーが占め、ガートナー・データクエストの調査では2003年にはインテルベース のサーバーが初めて売上金額ベースでもRISCを上回ると予測している。ただし、日本においては、欧米に比べサーバーにおけるメインフレームの割合が高いことから、金額ベースでのインテルのプロセッサベースがRISCを上回るのは欧米よりも遅れる見通し」(町田本部長)とエンタープライズ事業が好調に推移していることを強調した。
その要因として、「シリコン以外の分野における実績」をあげる。チップセット、ボード、システム製品などのハードウェア製品から始まり、ソフトウェアツール類、デベロッパーサービス、ソフトウェアベンダーとの協業、インテル ソリューションサービス、事例や効果などを紹介するソリューションブループリント、インテルキャピタルなど、エンタープライズビジネスに必要な要素を支援していく体制の充実によって、サーバービジネスが伸長しているという。
この好調な実績を受け、これまで発表していたロードマップの一部を変更、「Itanium2プロセッサ6MB版(開発コードネーム=Madison)を2003年夏に発表、低電圧のItanium2プロセッサ(開発コードネーム=Deerfield)を2003年後半 に発表する」(プラットフォーム&ソリューションズ マーケティング本部・平野浩介エンタープライズ・ソリューションズ・グループ統括部長)計画。
Itanium2の8WAY搭載機についても、「現在はNECのASAMA、ユニシスのES/70000など5システムだが、今年後半にはHPのスーパードームなど10システムにまで拡大していく見通し」(平野統括部長)と拡大が見込まれている。
実際にシステムを構築するNTTコムウェアのシステム本部SE部IPネットワー ク基盤グループ・石川了スペシャリストもベンチマークを実施した結果、「Itanium2プロセッサは、ペンティアム3、Xeonプロセッサと比較して約2−3倍の性能を発揮し、エンタープライズレベルのアプリケーションサーバーとして十分に通用する。今回のテストでは、最適化されたJavaVMであるJRockitを使用するとペンティアム3プロセッサで30−60%、Xeonプロセッサで150%程度の性能向上を実現したが、JavaVMに限らず最適化されていないものを動かすと性能が出ないなどの結果が出た」と、エンタープライズレベルでの十分利用できるとの見解を示した。
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