米Amazon.comがウェブ広告配信に関心を寄せているようだ。同社は最近、入札方式でウェブ広告の配信を行なうビジネスモデルについて、米国特許商標庁(USPTO:United States Patent and Trademark Office)に特許を申請した。
Amazon.comが特許を申請しているのは、「コンピュータシステムでウェブページ上の広告掲載スペースを割り当てる方法」。申請の内容によると、この方法ではまず広告料金と広告内容を示した入札を受け入れる。ユーザーが要求したウェブページを表示する際、入札価格などをベースに広告を選択し、ウェブページに掲載する。そのほか、広告を配信するウェブページ、対象ユーザー、広告配信時間などを指定できるターゲット広告のような機能も特許範囲に含まれるという。
Amazon.comのスポークスマンのBill Curryは、特許申請について、また同社が既にこのような広告配信システムを提供しているかどうかについて、コメントを差し控えている。
インターネットメディアの管理者らは「Amazon.comが申請した広告配信方法は、米Overtureや米Googleなどのサーチエンジンが実施しているcost-per-click広告配信からウェブページを奪ってしまうだろう」と語る。業界で注目を集めているcost-per-click広告配信は、クリック数に応じて広告料を課金するシステム。広告主が特定のキーワードを指定し、例えばYahooやMSNなどの人気サイトでユーザーがこのキーワードを検索すると、検索結果の横に広告が掲載される仕組みだ。
しかし、広告配信アナリストは「Amazon.comが特許を申請した入札方式の広告配信は、既に他社が実施していたものだ」と指摘し、Amazon.comの特許出願の動機を疑問視する。これまで、米AdAuction.comなどの企業が同様のオークション形式の広告配信を行ったが、いずれも十分な需要を創出することができず、失敗に終わっている。
今回のようなビジネスモデルの特許出願は、抽象的なアイデアが特許の対象になりうると認められた1998年以降、盛んに行われるようになった。Amazon.comはこれまで、インターネット事業に関する特許を積極的に申請し、取得している。Amazon.comが取得した特許には、購入手順に関する1-clickや、オンライン決済システムのHonor Systemなどがある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」