米クアルコムCEO、携帯電話ネットワークを援護

 携帯電話業界大手の米Qualcommの最高経営責任者(CEO)、Irwin Jacobsは米国時間3月18日、携帯電話会社がWi-Fiネットワークへのアクセスをサービスに付加する必要はないと発言し、Wi-Fiに肩入れする同業界に波紋を投げかけた。

 Jacobsはニューオリンズで開催中のCTIA Wireless 2003で、「携帯電話会社はセルラー技術の利用に徹するべきだ」と述べた。「セルラー技術はWi-Fiネットワークに匹敵するダウンロード速度をすでに持っており、運営費用も安い上、通信範囲はWi-Fiよりも広い」(Jacobs)、というのが主張の理由だ。

 米国の大手通信事業者は、CDMA 2000 1xrttやGPRSといったセルラー技術を利用して、すでに高速の無線ネットワークを構築しており、ネットワーク容量を倍増させている。その多くが、商用ホットスポット市場の成長をにらんでWi-Fiネットワークも組み合わせている。

 ほとんどの通信事業者は、携帯電話とWi-Fiネットワークを相互補完的なものと捉えている。携帯電話ネットワークは広範囲をカバーできるが、Wi-Fiネットワークほどダウンロード速度が速くない。またWi-Fiは、都市部などでも大容量ファイルのダウンロードができる。

 ドイツのT-Mobile Internationalの米国法人T-Mobile USAの社長、John Stantonは、「われわれはWi-Fiにビジネスチャンスがあると常に主張してきた」と述べている。また、米Boingo Wirelessの創設者のSky Daytonも、「Wi-Fiは無視できないほどの勢いを持っている」と、Wi-Fiの支持を表明した。Boingoは1000カ所以上のホットスポットを抱えている。

 しかしJacobsは、「Wi-Fiは300フィート(約91メートル)と通信範囲が限られている。それに比べ、携帯電話ネットワークはすでに日本の91%をカバーしているほか、米国でもあらゆる地域で構築されようとしている」と反論する。また、運営費用の安さを考えると、データ通信が高速になるほど、より多くの電話会社が着メロや無線ウェブ接続、ダウンロード型ゲームの提供に乗り出すことができる、と述べた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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