デジタルコンテンツの配信を手がける米Pseudo.comは米国時間3月6日、インターネットのPtoP型ファイル交換システムKaZaAを利用して、TV週間番組One Nationを配信すると発表した。司会はラップスターのIce-Tが担当するという。
One Nationではヒップホップのアーティストや文化、歴史などを取り上げる予定である。Pseudo会長のEdward Salzanoは、「One Nationは、KaZaAの登録ユーザー約6千万人だけに提供する番組だ。2週間後にも開始する予定である」と語っている。これまで画像、音声、テキストファイルの交換にKaZaAを利用していたユーザーは、週ごとにOne Nationの新たな放送コンテンツをダウンロードし、自分の好きな時間に視聴できるようになる。
Salzanoは「KaZaAの利用は無料のため、番組はコマーシャルなどの広告収入をもとに提供する」と説明する。Preudo.comはすでに、ソフトドリンクメーカーの米Red Bullとスポンサー契約を結んでいるという。
これまで長い間、ネットワーク上でのファイル共有は娯楽産業における争いの種となってきた。映画業界では、KaZaAや一世を風靡(ふうび)したNapsterなどを、著作権侵害の音楽や映画ファイルを交換するためのブラックマーケットとみなしている。その結果、大手の映画会社やレコード会社などがこれらのネットワークを訴え、Napsterを営業停止にまで追い込んだ。
しかし、このようなPtoPコミュニケーションはインターネット上の幅広いメディア視聴者に接触する好機となる。このため、企業はこれをビジネスとマーケティングで合法的に活用するための方法を模索している。
例えば、Microsoftは昨年、映画会社のLions Gateと提携し、映画「Rules of Attraction」の予告編をKaZaAを介して配信した。また、Brilliant Digital Entertainmentの子会社Altnetは、コンテンツの権利所有者が収益を受け取れる方法を開発した。これはKaZaAでやりとりされるコンテンツ内で表示される商品について、その売上の一部を権利所有者に還元するというものである。
Salzanoは、「娯楽産業にとっては、新たな配給方法を容認する時期にさしかかっている。今後は互いに協力しあって、この技術を活用していく必要がある」と語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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