日本SGI(和泉法夫社長)は3月4日、グリッド・コンピューティングに関する同社の取り組みや海外の最新動向などを公表した。
同社では、「第7回グローバル・グリッド・フォーラム」(GGF7)がアジアで初めて東京で開催(3月4−7日)されているのに先立ち、記者懇談会を実施。そのなかで、「グリッドが民間レベルで需要が広がるには、セキュリティなど課題が多い」(イングリム・ゴウ 米SGI上級副社長兼CTO)など現状を述べたうえで、「当社はグリッド上の複雑なデータ管理を実現する適切なツールを提供できる」(同)と自信を示した。
ゴウCTOによると、同社のグリッドに対する取り組みは、分散した計算ソース、リモートにある結果の可視化やスーパーコンピュータ上にあるデータアクセスに基づく。大きなデータを小さな単位に分けることなく処理し、可視化できる共有メモリコンピュータ・システムとして、世界中の教育機関や研究所、官公庁などで使われているという。
ゴウCTOは、「当社の顧客の多くは、スーパーコンピュータなどで、『グリッド』という用語が使われる以前からグリッドを利用していた。その意味で、当社はグリッド分野で重要なポジションにある」としている。
同社は今年1月、世界中のどこからでも多様なネットワークを介して、どのようなコンピュータからも最先端の高速な可視化システムをインタラクティブに使用できる「ビジュアル・エリア・ネットワーキング(VAN)」を発表。総合的な処理性能を引き出せるグリッド環境を効率的に構築することは難しいが、「ビジュアライゼーションが重要な役割を果たす」(同社)として、「VAN」という技術イニシアティブを提案している。
「VAN」では、リモートシステムの可視化において、従来は不可能だったレベルでの画像処理と対話処理での効率向上をもたらすという。同社・戸室隆彦氏は「VANでは不要なデータ転送を行わないため、迅速でセキュリティ面でも安全に問題解決を実現できる」と強調した。
なお、同日、グリッド・コンピューティング専用マシン「Onyx300」を北海道大学大型計算センターに納入したと発表。これは、文部科学省が推進する「eサイエンス」構想による初の試みとしている。
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