米Hewlett-Packard(HP)の経営が順風満帆だ。HPはその理由を「Compaq Computerとの合併後に設立したパーソナル・システム・グループ(Personal System Group)が成功を収めているため」と説明する。同社の幹部は「これで終わるわけではない。ライバルのDell Computerを見据えた上で、Media Center PCなどの新製品や魅力的な価格体系を今後も提供し続けるつもりだ」と語る。
新設したパーソナル・システム・グループでは、デスクトップパソコンのPavilionからPDAのiPaqなど、多くの個人向けパソコンを手がけている。HPは、同グループの幹部職に対して、HPにおけるパソコンブランドの理解、コスト削減、そしてパソコン事業における収益目標の達成などを課しているという。
同グループのエグゼクティブ・バイス・プレジデント、Duane Zitznerは、「HPが事業目標を打ち出した昨年の夏以降、パーソナル・システム・グループは順調に目標を達成している。我々のグループの業績により(2003会計年度第1四半期業績に)利益をあげたことを非常にうれしく思う」と述べる。
パーソナル・システム・グループの2003会計年度第1四半期(2002年11月〜2003年1月)における利益は前期比2.1%増となった。またHPは2002年第4四半期に出荷台数で首位の座を勝ち取り、第2位のDellに対して約12万台の差をつけた。同グループの実績がHPをこうした地位に導いたと言えるようだ。
しかしHPは売上高では伸び悩んでいる。同社の2002年第4四半期のパソコン売上高は51億ドルで、前年同期の63億ドルを大きく下回っているのだ。その理由は製品の低価格化にある。
Zitznerは、「パーソナル・システム・グループは今後も2つの戦略を中心に、積極的な競争を行っていく」と説明する。その1つに、低価格戦略があるという。
HPはコスト削減策を実施している。これにより2003年のコスト削減額は約10億ドルとなる見込みで、こうした施策が製品価格の引き下げを可能にしているという。ちなみに合併前の同社の製品価格は、Dellのそれよりも15%も高かった。
HPのもう1つの戦略は、Media Center PCやCompaq Tablet PC TC 1000といった製品群である。「Media Center PCは昨年のホリデーシーズンには売り切れになるほどの人気ぶりだった。現在は再出荷の準備を進めている。タブレットPCも順調だ」(同社)
アナリストらは「HPの業績は堅調なものとなっている」と分析する。「HPは、今後何期かにわたり、シェアのNo.1をめぐって、Dellと抜きつ抜かれつの戦いを繰り広げる」という。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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