NECシステムテクノロジー(高橋利彦社長)は2月28日、グリッドコンピューティングへの取り組みを強化することを発表した。今後、研究開発の優先テーマとしてグリッドコンピューティング分野への投資を強化し、同分野における高い技術力および競争力を確立し、継続的な事業成長を支える柱の1つとしていく考え。
主な取り組みとしては、まず、グリッドコンピューティングに関する技術検証を行うために、並列Linuxクラスタを活用した「グリッド検証システム」を3月までに神戸事業場内に構築し、同システムおよび、NEC(西垣浩司社長)のコンピューティング技術の評価を行う。
具体的には、「HPC(ハイ・パフォーマンス・コンピューティング)エンジニアリングセンター」(東京)や基礎研究所(茨城県つくば市)との接続によって、広域(神戸−つくば間:約600km)に分散したグリッドコンピューティング環境を構築する計画。
こうしたシステム環境によって、(1)グリッドコンピューティング構築のための業界標準ソフトウェア「Globus」について、次世代のインターネット標準規格「IPv6」への対応を検証、(2)複数のコンピュータで実行した処理内容の同期や、処理実行中に障害が発生した場合の回避手段など、グリッドコンピューティングの高信頼化技術の評価・開発、(3)複数のコンピュータでやりとりする情報を保護するためのネットワークセキュリティ技術の評価・開発、(4)遠隔地にあるコンピュータでの処理をリモートで制御する技術の評価・開発、(5)広域に分散しているITリソース(コンピュータ・ストレージ・ネットワークなど)を仮想化し、最適なリソース配分を実現する技術の評価・開発──などを実施し、グリッドコンピューティング分野における高い技術力と競争力の確立を目指す。
また、「グリッド検証システム」の構築・運用ノウハウを活用し、グリッドコンピューティングシステムの構築に関するコンサルティングおよびSI支援などのサービス化を推進するほか、バイオ分野を始め、同システムを活用したアプリケーションソフトウェアの動作・性能検証を行うなど、構築から運用までの総合的なサポート事業の展開を検討していく。
なお、グリッドコンピューティングの国際的な標準化団体「グローバル・グリッド・フォーラム」に参加し、3月4−7日に東京で開催される「GGF7」において本格的に国際交流活動を開始する予定。
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