DVD複製ソフトウェアを販売する米321 Studiosは、米国映画業界が同社製品の販売停止を求めていることに関して、裁判所にその請求を棄却するよう訴えている。同社はDVD複製ソフトウェアを、言論の自由の保護対象だと主張している。
321 Studiosはこれまでに7社の大手映画会社から訴えられている。映画会社は321 StudiosのDVD X CopyとDVD Copy Plusソフトウェアが、映画の著作権侵害を助長していると主張。これらのソフトウェアでは、DVDのコピープロテクションを回避してほぼ完全な複製が作成できるため、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)に違反するものだと述べている。
しかし321 Studiosは最近の訴訟において、「これらの製品は言論の自由で保護されており、映画会社が販売を阻止しようとするのは、米国憲法修正第1条に違反する」と反論した。同社の言い分によると、問題の製品はDMCAで禁止されているコピーコントロールを回避するものではなく、ユーザーがすでに所有しているDVDのバックアップを作成するために開発されたものだという。
321 Studiosの弁護士のDaralyn Durieは、「321 Studiosが最近の訴訟で提出した書類は、これらの映画会社による行為とその根拠となるDMCAが、憲法違反であることを示している」と述べている。「映画会社は、米国憲法修正第1条で保証された第三者の表現の自由を妨害している。さらに321 Studios製品の販売差し止めを求める行為は、同社の権利を侵害するものである」(321 Studios)
ソフトウェアが言論の自由で保護されていると認めるかどうか、過去の判例もさまざまだ。最初の大きなDMCA訴訟では、DVDコピープロテクションを解読できるソフトウェアを掲載したとして、映画会社が出版社を訴えた。裁判所はソフトウェアが言論の自由の保護対象にあたらないと判断した。しかし、カリフォルニア州の別の訴訟の場合、米連邦控訴裁判所は、大学教授のDaniel Bernsteinが開発した暗号化ソフトウェアが法に反するという国家安全保障局(NSA)の訴えを退け、同氏に対してソフトウェアの公開を認めた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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