米Sun Microsystemsは今週開催した年次アナリスト会議で、イノベーション(革新技術)の重要さを強調した。今会計年度に、売上高全体のおよそ15%に当たる約20億ドルを研究開発費として割り当て、ライバル企業に対する優勢と顧客への影響力を維持する考えだ。しかし、同社の打ち立てた戦略の大部分は、外部企業の技術が必要不可欠となる。
Sunが発表した高性能のスループットコンピューティング計画と、N1ソフトウェアの2大計画は、外部企業の技術を基盤としている。スループットコンピューティング計画の鍵とされる最大32のジョブを同時に処理する新しいサーバプロセッサは、Afara Websystemsから買収した技術だ。
しかし同計画には、Sunが10年余りの歳月を費やして改良したSolaris OSも必要となる。Solarisは大量のメモリを扱え、同時に最大200のタスクを実行することができる。Sunはもともと自社のMAJCプロセッサでスループットコンピューティングを構築しようとしていたが、大きな欠点が1つあった。ソフトウェアに大幅な変更を加えずにSolarisを稼動させるのが不可能だったのだ。
また、N1も外部企業の技術を必要とした。N1の中核技術は、Sunが買収した米Terraspringのもの。主要技術の1つであるビジュアリゼーション(視覚化)も、米Pirus Networksの技術だ。
Sunは、自社製品強化のために、より多くの買収を行うという方針も発表した。外部の技術買収が理に適っている場合は多い。Sunはクラスタリングソフトウェアを自社で構築したが、IBMは買収に頼った。結果的に、「IBMは5年でSunを追い抜いた」(米IlluminataのアナリストのJonathan Eunice)。
Sunは、特にソフトウェアメーカーの買収によって、新しい方向に進むことができる。たとえば、米Troux Technologiesの技術により、N1に基づいて構成した異なるサーバ上で動作するソフトウェアを統合することが可能だ。また、ソフトウェアパッケージ製品とSolarisをまとめるというOrion計画を推進するうえで、データベースソフトウェアが重要度を増している。現在はOracleのデータベースソフトウェアを利用しているが、これらの製品はSunの管理の範疇にはない。Sybaseや、BorlandのInterbaseを買収する手もあるが、Sunと良好な関係にあるOracleはこの戦略を喜ばないだろう、とEuniceは指摘している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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