IT専門調査会社のIDC Japanは2月26日、2002年(1月〜12月)の国内PC出荷実績を発表した。出荷台数は前年比11.1%減の1245万5671台で、2年連続のマイナス成長となった。
「回復基調にあった市場環境は、景気低迷の影響で年末に向けて再度悪化した。この傾向は2003年に入っても続いており、市場を取り巻く環境は依然として厳しい」(IDC Japan PCsのシニアマーケットアナリスト、新行内久美氏)
市場別に見ると、家庭市場では前年比12.9%減の578万台となった。2001年末のWindows XP発売以来回復傾向にあった家庭市場の回復ペースは鈍化している。ビジネス市場では同9.4%減の667万台。年前半の落ち込みは激しかったが、後半にかけての回復は家庭市場を上回ったという。
製品別では、デスクトップPCが前年比13.9%減の596万台、ポータブルPCが同8.1%減の616万台となった。
ベンダー別では、前年6位のデルコンピュータが4位に浮上した。大規模な広告を通じた家庭向け製品の強化が奏効し、家庭向けを中心に前年比17.2%増と躍進した。1位のNEC、2位の富士通はともに、2001年第1四半期に特需的な出荷があったため前年比ではマイナスが目立つが年末に向け改善の動きがみられた。5位の東芝も前年比では減少したが、下半期においては2桁のプラス成長に転じている。
IDC Japanは2003年の国内パソコン市場を前年比2.9%増の1281万台と予測している。ただし、国際紛争の可能性や景気低迷のさらなる長期化など、通常時より強い下振れリスクが伴うという。
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