ソフトウェアの自動検査サービスを提供する米Reasoningによると、オープンソースOSであるLinuxのネットワーキング技術の方が、ソースコードを公開していない商用ソフトウェアのものよりも優れているという。
ReasoningがLinuxのTCP/IPを、ソースコードを公開していない5種類のOSと比較したところ、Linuxの方がエラーの数と発生率が少なかった。Linuxのコード1000行当たりの欠陥率が0.1だったのに対して、3種類の汎用OSの欠陥率は0.6〜0.7、2種類の組み込みOSの欠陥率は0.1〜0.3だった。
調査に使用したLinuxはバージョン2.4.19。Linuxと比較した5種類のOSの詳細については、2種類の汎用OSがUNIX系であること以外は明らかにしていない。
「調査により、コードの品質という点においては、LinuxカーネルのTCP/IPの方が優れていることが明白になった」(Reasoning)
ソースコードとは、人間がプログラム言語で記述した一連の命令文。OracleやMicrosoftといったソフトウェアメーカーは、人間が書いたソースコードをコンピュータが理解できるバイナリ形式に変換したものを販売している。このバイナリコードはソースコードと違い、人間にはほとんど意味不明である。
「LinuxやApacheウェブサーバなど、オープンソースで開発されたアプリケーションのソースコードは、大勢の人の目にさらされる。また開発プロセスもオープンなため、開発者コミュニティによって不具合やエラーが発見される確率も高い」と、Reasoningの最高経営責任者のScott Trappeは説明する。「しかし、このような開発プロセスは時間がかかるため、商用ソフトウェアには向いていない」(Trappe)
Linuxの大手メーカーとしては、Red HatやSuSE Linuxなどが挙げられる。対するUNIX勢には、Sun MicrosystemsのSolaris、IBMのAIX、Hewlett-Packard(HP)のHP-UXなどがある。もちろん、MicrosoftのWindowsというライバルも忘れてはならない。
Microsoftは、「GPL(General Public License)のもとで配布されるオープンソース・ソフトウェアは他のソフトウェアにも影響を及ぼす"ウイルス"のようなもの」と、反対の姿勢をとっていた。しかし最近は、ソースコードを公開することの利点に着眼し、Windowsのソースコードへのアクセスを一部の国の政府に提供するセキュリティプログラムを開始している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」