標準化組織のIETF(Internet Engineering Task Force)が、Ethernetを利用してストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)を構築する規格、iSCSIを承認した。
現在、ハードドライブをパソコンに接続するための標準規格としてSCSI(Small Computer System Interface)が普及しているが、iSCSIはコンピュータとストレージの接続を、企業のEthernetネットワークやインターネットなどで実現するもの。
iSCSIと競合する規格にはFibre Channelプロトコルが存在する。同プロトコルは高性能を誇り、市場に準拠製品が出回っているが、個別にネットワークを構築しなければならないという問題がある。一方iSCSIは、従来のコンピュータネットワークで利用できる。まだ普及しているとは言いにくいものの、Fibre Channelに比べて使いやすく、低価格で提供される可能性が高い。
一部の企業は、すでにiSCSIのドラフト案に準拠した製品を開発している。米IBMと米Cisco Systemsは早くからこの規格を支援しており、CiscoはiSCSIとFibre Channelの両方に準拠した製品を出荷している。今回の正式な承認は、ストレージ企業や顧客での採用を促進することになるだろう。
Storage Networking Industry Association(SNIA)IPストレージフォーラムのマーケテイング議長、Bryce Mackinは、「IETFによる承認で、エンドユーザーは確信をもってiSCSI準拠製品に移行できる」と述べた。「大企業ではFibre Channelを引き続き採用するとみられるが、多くの中小企業は個別ネットワークの設定や保守にかかる費用から、SANの導入に消極的だった。しかしiSCSIを利用すれば、こうした負担を強いられることなく、SANを構築できる」(同氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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