ゲイツ会長が語る「デジタルの10年」構想

 「Microsoftはハイテクビジネスの中で今最も見通しの明るい企業」――MicrosoftのBill Gates会長は米国時間2月11日、「デジタルの10年」と銘打った講演の中でこのように発言し、今後のビジョンを語った。

 「3〜4年前はこうではなかった」(Gates)。ワシントン州レドモンドの本社で開かれた社内向けイベントで講演したGatesは、ドットコムブームをこう振り返った。「何でも一夜にして起き、銀行からショッピングまで瞬時に変わると思われていた中、わが社は少々奇妙な位置にいた」(Gates)

 そしてGatesは今、次の10年の構想を掲げる。「これまでコンピュータは、文書の作成や電子メールを送るために利用されてきた。しかしこの先の10年、我々はコンピュータの利用法をさらに増やしていく。メモ書きから読書、スケジュール管理や支払い、写真、音楽など、これらに関連するあらゆるものを加えていく」(Gates)

 「『デジタルの10年』を生み出すには、さらに多くの技術革新が必要」と同氏は説明する。液晶ディスプレイ、ワイヤレスネットワーク、ディスクストレージなどのハードウェアの技術革新が、新しいデバイスの開発を可能にする、というのだ。

 「我が社は、研究開発の予算を再び拡大した。ソフトウェア技術の開発や新しいことを可能にするプラットフォームの開発には、今が好機だとみている」(Gates)

 Windows XPのリリースについても触れたGatesは、消費者向けとプロフェッショナル向けのOSを1つのコードに統合できたとして、「Windows XPの開発は非常に重要な意味を持つ」と語った。

 Microsoftは、テレビや音楽といったデジタルコンテンツの配信を、パソコンだけにでなく携帯機器や車などにも広げようとしている。GatesはそうしたMicrosoftの取り組みを次のように説明する。

 「車の中で、お気に入りのコンテンツがワイヤレスネットワークを通して自動的に配信されるとしよう。これはテレビやPDAも含めた複数のコンピュータが相互接続して可能になる。我が社の主要なテーマの1つに『コンピュータとどうインタラクトするか』というものがある。我々は、その分野に重点的に予算を投入している。XML(Extensible Markup Language)の導入やSPOT(Smart Personal Object Technology)の開発にも力を入れている」(Gates)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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