静岡大学電子工学研究所、ソニー、ソニーLSIデザインは、COMSイメージセンサー用の適応ゲイン・カラム増幅(Pixel - Gain Adaptive Column Amplifier)技術を共同で開発したと2月12日発表した。この技術を使うと、薄暗い場所でもノイズを抑えた画像を撮影できるという。
適応ゲイン・カラム増幅とは、カラム(垂直画素列)出力部ごとに低ノイズ、低消費電力の適応ゲイン型の増幅器を設ける技術である。これをCOMSイメージセンサー部の近傍に配置することで、センサー部から得られる微小信号へのノイズの混入を最小限に抑える。
また、各増幅器は画素ごとに信号の大きさを判断し、信号が小さい場合には一時的に増幅処理を行う。一時的に増幅処理された信号は、最終段となる画像合成ユニットで、カラム出力部で行われた画素単位ごとの増幅量にあわせたレベルで調整・復元される。これにより、途中で混入したノイズは、復元過程で圧縮され、低照度画面におけるSN比が改善する。
この技術は次世代プロセスや、微細加工技術を用いた多画素CMOSイメージセンサーの画質改善などへも適用できるという。
なお3者は、11日に米ロサンゼルスで開催された、ISSCC(国際固体回路会議)で同技術を発表した。今後、実用化に向けて研究開発をさらに進めていくという。
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