日本IBMは、独立行政法人である産業技術総合研究所(産総研)に対し、量子化学グリッドの一部として分子軌道計算用ポータルシステムを納入したと2月10日、発表した。
この分子軌道計算用ポータルシステムとは、「複雑な分子の性質を明らかにするために、ネットワークで接続された異機種の複数のコンピューター資源を活用し、効率的に計算処理を行うためのシステム」(日本IBM)。産総研グリッド研究センターが行った設計に基づき、日本IBMがグリッド管理ソフトウェア「Globus(グローバス)」をベースに構築した。システム基盤は、産総研東北センター内の7台のIBM製UNIXワークステーションと、産総研先端情報計算センター内の108台のxSeries(Linuxクラスタ)で構成する。
従来、研究者は個別のワークステーションや計算センターの高性能サーバで分子軌道計算用ソフトウェア「Gaussian(ガウシアン)」を使って分子軌道計算を行っていた。しかしこの方法では、他の研究者が行った類似分子の計算結果を参照することが困難となる。そのため同じような計算を最初から行う必要があった。
今回構築したシステムはこのGaussianを活用したポータルシステムである。これにより、研究者同士がGaussianで計算した結果をデータベース化したり、知識/ノウハウの共有化を図れるようになった。
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