米ベルサウス、DSL通話サービスから撤退

 米BellSouthは、高速インターネット回線で音声通話が利用できるサービスとして注目を集めていたDSL Talkingサービスを、2月5日をもって停止することを明らかにした。BellSouthのDSL加入世帯を対象にした同サービスは、インターネット電話会社の米Vonageの協力を得て、2002年夏にアトランタ地域で試験サービスを実施したばかりだった。

 BellSouthはVonageの通話サービス再販から撤退するが、DSL Talkingサービスの加入者は継続してサービスを受けられる。ただし、加入者はVonageと直接契約を結ばなければならない。高速インターネット接続を提供するケーブル会社のほとんどが、VoIP(voice over IP)サービスを提供している中、BellSouthが先陣を切ったDSLで通話サービスを提供する試みは終了することになる。

 BellSouthはDSL Talkingサービスの顧客に宛てた書面で、「BellSouthブランドの特定サービスを中止せざるを得ない場合がある。当社が全体としてよりよいサービスをすべての顧客に提供するためだ」(BellSouthのマーケティングディレクター、Laura A. Reid)と述べているが、撤退の理由についてはほとんど触れていない。

 BellSouthのアシスタント・バイス・プレジデント、Eric Schwartzによると、アトランタ地域の試験サービスは1000世帯以下の家庭を対象に実施し、DSL Talkingサービスの品質について検証を行った。その結果、BellSouthが求める水準に同サービスの質が達しているか疑問が残ったという。「複雑なサービスのため、運営と開発が大変難しい」(Schwartz)。しかし同氏によれば、BellSouthは新たな試験サービスまたは広域での商用サービスを開始する可能性は除外していないという。

 米調査会社のAllied Business Intelligenceによると、ケーブル回線を介した通話サービスの利用者は、2001年に世界で約293万人を数えたという。2002年末にはほぼ2倍の520万人に達するとの予測だった。

 一方米国の状況はというと、ブロードバンド接続で通話サービスを利用しているユーザーは10万人に満たない。ちなみに、この市場の主要プロバイダであるVonageの顧客数は約1万人である。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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