米Apple Computerは、同社のデジタル音楽プレーヤーiTunesをピア・ツー・ピアの音楽共有ソフトウェアに変えるプラグイン、iCommuneの配布を中止するよう、開発者のJames Spethに勧告した。Appleが米国時間1月15日に明らかにしたもの。
iCommuneを利用することにより、iTunesユーザーはネットワーク上の他のMacユーザーの音楽ライブラリを閲覧して、音楽の配信やダウンロードが可能になる。
KaZaAやNapsterといった音楽ファイル交換アプリケーションとエンターテインメント業界との軋轢が高まる最中の出来事だが、Appleが言及しているのは著作権の問題ではなく、Spethが開発ツールの利用に関する契約条件に違反したことである。Appleによれば、iTunes用ソフトウェア開発ツールは、ハードウェアをiTunesに対応させる目的にのみアクセスが許可されるものであって、ソフトウェアベンダーがiTunesを利用する目的ではアクセスを認めていないという
Appleから勧告を受けたSpethは、自身のウェブサイトでのプラグイン配布を中止した。
Spethは2002年4月に、iTunesライブラリをステレオに接続したLinux搭載マシンに対応させる方法としてiCommuneの開発に着手した。先頃配布を中止したバージョンは、2002年秋に開発を始め、今月完成に至ったもの。
「残念なことに、iCommuneはもともとライセンス契約でAppleに説明していた範囲を超えてしまい、同社から配布停止を求められた」とSpethは述べている。また、「今後Appleの知的財産を利用しなくても済むならば、再びiCommuneの開発に取り組んで配布したい。しかし現在のところ、再開発は検討中だ」と語った。
ちなみに、Appleの最高経営責任者(CEO)のSteve Jobsは2002年7月に開催されたMacWorldの基調講演で、次期バージョンのiTunesにiCommuneと同様の機能が加わることを発表している。新機能の付加は今年初めの予定だが、詳細は明らかにしていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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