米Yahoo!は米国時間1月15日に、2002年第4四半期と2002年通期の決算を発表する予定。ウォールストリートのアナリスト予測によると、同社はまたしても黒字を報告する見通しである。
「Yahoo!の2002年第4四半期売上高は2億7860万ドル(1株当たりの利益は6セント)」――。アナリストらはそう予測する。なおYahoo!は先に発表した業績見通しで、同四半期の売上高は2億6300万〜2億8800万ドル、EBITDA(利子,税金,減価償却費控除前利益)は6900万〜7900万ドルの範囲、と報告していた。
同社は2002年通期の業績見通しについても明らかにしており、売上高が9億3000万〜9億5500万ドル、EBITDAは1億9000万〜2億ドルと見込んでいる。ちなみに、2001年通期の売上高は7億1740万ドル、EBITDAは4360万ドルだった。
ドットコムバブル崩壊の影響を受け2001年の業績が悪化したYahoo!だが、同社はその後、着実に回復へと向かっているようである。その背景には同社が新たに導入した広告サービスがある。
同社は米Overture Servicesと提携し、検索結果の表示画面にスポンサー企業のリンクを優先表示するというサービスを提供している。Yahoo!はこのサービスで、1・四半期ごとに2500万〜3000万ドルの収益をあげているという。アナリストらは、このOverture Servicesとの提携こそが、「Yahoo!好転の主要因」とみる。
最近のYahoo!の動向を見ても同社の好調ぶりはうかがえる。例えば、最高経営責任者(CEO)のTerry Semelは先週開いた投資家向け説明会で、「昨年末で有料会員数が目標だった200万人を突破した」と発表している。さらに同社は昨年12月、検索エンジンの米Inktomiを2億3500万ドルで買収している。これは、米Googleへの依存体質から脱却しようという同社の試みの表れである。
しかし、Yahoo!はいまだ従来型のWeb広告に大きく依存しており、そうした経営体質を懸念する声もある。また、Yahoo!の将来は「今後同社がいかにブロードバンド化の波に対応していくかにかかっている」とする声もある。
Yahoo!は、2001年11月に米SBC Communicationsと提携し、昨年9月に同社と共同ブランドのDSL(digital subscriber line)サービスを立ち上げた。しかし会員数などの詳細についてはまだ明らかにしていない。SBC Communications以外の通信事業者との提携についても、今のところないようだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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