米Hewlett-Packard(HP)と米Intelは共同で、アジア太平洋地域のソリューションセンターを上海に開設する。両社は、Linuxベース・アプリケーションの需要が高まる中国市場をターゲットに据える。
「我々のLinuxサーバーにとって中国は最大の市場である。その需要は、アジア太平洋の他の地域と比較して2倍以上ある。中国はLinuxのインストールベースでも同地域で最大だ」と、HPアジア太平洋インダストリー・スタンダード・サーバー部門ディレクターのドゥラガドット・ネドゥンガディ(Duragadutt Nedungadi)は言う。
市場調査会社の米International Data Corp(IDC)は次のように分析している。「アジア太平洋地域全体に占める、中国のインテル・ベースLinuxサーバー売上高は、40%である。この割合は今後も増大し、2006年には53%となる」(IDC)
HPのネドゥンガディは言う。「顧客の多くがLinuxの導入に興味を示している。彼らは、自社のビジネス分野のどこかでLinuxを試してみたいと考えているのだ。とりわけ、異なるシステムが混在する環境でLinuxを利用したいと考えている。ところが彼らにはまだ、Linuxをうまく導入できるのだろうかという疑問があるのだ。またLinuxの信頼性についても確信を持てないでいる」(同氏)
「我々がソリューションセンターを開設するのはアプリケーションのLinux対応を促進するためだ」と説明するのはHPアジア太平洋インダストリー・スタンダード・サーバー部門副社長のポール・ブリンコーン。「そこでは地域顧客やISV(independent software vendor:独立系ソフトウェアベンダー)がコンセプトの検証や、試験、パフォーマンスチューニング、キャパシティプランニングを行えるようになる」(同氏)
HPは大手ソフトウェアベンダーからの支援も得ている。「HPは米Oracleや、独SAP、米Sybase、さらにはDigital Global Softや Millinuxといった現地のISVとパートナーシップを結んだ」(ネドゥンガディ)。各社は同センターで顧客やISVに対し、それぞれのソリューションを提供していく。
HPは同センターの初年度運営費として200万ドルを投じる計画だ。また同センターでは、Linuxに次ぐ第2段階の取り組みも計画されている。Itaniumベースの技術開発である。
なお、HPとIntelによるソリューションセンターの共同運営は上海だけにとどまらない。両社はフランスと米国でも同様の協力体制を敷いている。
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