米Microsoftは早くもSmart Display技術の改良に取り組んでいる。このことは8日午後、消費者向け電子機器の展示会「Consumer Electronics Show(CES)」で行われたMicrosoft会長ビル・ゲイツの基調講演で発表された。
すでにSmart Display製品を注文、あるいは購入してしまった人にとっては遅すぎるだろうが、米Microsoftは早くもこの技術の改良に取り組んでいる。新技術を搭載した製品は今年中にも市場に登場するという。
なお、Smart Displayは以前「Mira」という開発コード名で呼ばれていた技術。また、“Smart Display製品”とはこの技術を使ったポータブル・ディスプレイのことである。ディスプレイをパソコン本体から取り外して持ち運べるため、家の中のどこからでも手軽にネットサーフィンなどが楽しめる。
その第1弾となるのは米ViewSonicの製品。同社は他社に先がけ1月8日、米国で自社製品Airpanel V110と同V150を発売した。
ところがこうした初期製品には不具合があるという。ディスプレイを取り外す際にメインのパソコンが閉じてしまう、という問題が見つかったというのだ。MicrosoftのSmart Displays欧州市場製品マネージャーであるナンシー・ネムスも「最初の製品にはやはり“限界”がつきまとう」と、この不具合を認めている。
ネムスによると、Microsoftは目下、不具合の解消に取り組んでいるという。同氏はソフトウエアの次期版のリリース日程について明言することは避けたが、「数ヶ月以内にも準備が整う」ことを示唆した。
もちろんViewSonic製品のユーザーにもこの不具合を解消するデータが配布される予定である。
Smart Display製品が抱える“限界”は、これ以外にもある。それは無線LAN規格「802.11b(「Wi-Fi」)」を使ったビデオストリーミングに関するものである。802.11bは最大11Mbpsの速度でデータ転送するが、ネムスの言葉を借りると「この速度ではユーザーがすばらしい体験をすることができない」。このためSmart Displayの次期版では最大54Mbpsのデータ転送が可能な「802.11a」に対応するという。
各社の製品の当初の価格は1400ドルほどとなる。しかし、Microsoftのプロダクトマネージャー、メーガン・キッドは「1年も経てば600ドル〜700ドル程度までに下がる」と見込んでいる。
なお、ViewSonic以外のメーカーもこの市場に参入する。例えば蘭Philips Electronicsが2月の第1週に米国で販売を始める予定である。さらに、Microsoftは1月8日、韓国Samsung Electronicsが市場参入すると発表した。この他のメーカーも順次、欧州やアジアなどの市場で製品を投入していく予定である。
執筆:Matt Loney(ZDNet UK)、協力: Michael Kanellos(CNET News.com)
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