2009年後半は、失業率が12%と引き続き厳しい状況は続いているものの、中国やインドの消費市場の回復によりIntelや半導体製造装置メーカーのような半導体業界の復調、GoogleのAdmobなど含めた大型積極買収、OpenTableやFortinetなどベンチャー企業の上場が増えるなど、景気は力強く回復しているようだ。著名投資家が2010年はIPOが大きく増えると予想するなど、ベンチャーキャピタルは慎重ながら楽観的に期待を膨らませている。
シリコンバレーが愛読するブログの1つRead Write Webが、2009年末に年末恒例のIT業界トップ企業を公表したところ、大企業の部門はGoogleであった。ちなみに2008年のトップはApple。Googleは、2009年後半のAdmob買収、Yelp買収の噂などの積極的な買収活動だけでなく、社内外を通じた新しいサービス(Android、Google Waveなど)を開発していく能力を裏付ける資金力や技術力、経営能力の高さが際立ち、今後もしばらくは市場をリードしていく中心にあり続ける会社であるだろう。
しかしその裏では、いままでの狭いオフィスからGoogleのように広くきれいなキャンパスに引越ししたFacebookがいよいよ大型企業となり、業界へのインパクトを広げた年でもあった。2010年上場の噂もある同社は、Googleがベンチャーであったときの戦略を着実に踏襲し、優良なエンジニアを集めプラットフォームの強化をすすめている。このオープンプラットフォームをベースにしたエコシステムは、すでにソーシャルアプリにより年商数億ドルを稼ぐZyngaのような会社を作るまでになった。
日本でもmixiがオープンプラットフォーム化を果たし、ソーシャルアプリのユーザーが急増しているようだ。さらに、続いてモバゲータウンもオープンプラットフォームを予定していることから、2010年は日本でも引き続きソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に関する話題に事欠かない1年になるかと思うが、Facebookの今後の展開と比較しながら注目するとより興味深いであろう。
ある大手ベンチャーキャピタルの年次総会に参加した際に、同社の新規事業開発担当から今後のFacebookについて話を聞くチャンスがあった。以下の3点にまとめてみた。このようなクローズなイベントでは普段聞けないような話を聞くことができて、大変参考になる。
これらのトピックにより、2010年はFacebookがGoogleと同じ、もしくはそれ以上に“シリコンバレーの代表”としての存在感を出していく年になると感じている。
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