ノートに書きながら、その内容をそのままデジタルデータとして記録できるMVPen。このMVPenが、2年ぶりにリニューアルされ「EN201」として生まれ変わった。今回は、「EN201」の使い心地を旧版の「MVP-1」との比較も交えながら紹介する。
MVPenはあくまでも筆記具であるため、デジタル機器というよりも文具として扱われるべきであろう。価格(1万4800円)と機能から見れば「高級文具」になる。その点、EN201を箱から取り出した時の第一印象は悪くない。シンプルなシルバーのケース内に、デジタルペン、ユニット本体、USBケーブルがコンパクトに収まっており、このまま持ち歩いてもたいした荷物にはならない。
「ユニット」と呼ばれる本体は、ペンの軌跡を受信してノートとして保存するための機器だ。丸みを帯びた手に取りやすい形で、厚みも薄くなっているほか、表面は、ピアノのような光沢のあるブラックでおおわれている。旧版のMVP-1と比較すれば、その違いは一目瞭然だ。使用前には、付属のUSBケーブルでユニット本体をパソコンに接続し、3時間半ほど充電する必要がある。WindowsとMacの両方に対応している。
デジタルペンは、キャップが透明から黒になり、ペン全体に統一感が出た。一見、万年筆のようだ。ペン芯が1本付属しているので、デジタルペンに差し込めばすぐに使用できる。ペン芯は「4C」という規格のため、市販の好みの色の物に替えて使用することもできる(ただし保存されるデータはモノクロのみ)。たとえば筆者は、ゼブラの「4C-0.7芯-N(セピア)」を愛用している。ただ、市販のペン芯を使用する場合、ペン芯の交換時に、ペンのキャップ裏の溝(ペン芯をこの溝に引っかけて引き抜く)にうまく引っかからないことがある。そのような場合、筆者はペンチや爪切りなど身近な物を使って引き抜いている(デジタルペン本体を挟んで破損させないように自己責任で実行してほしい)。
EN201のユニット本体の裏はクリップになっており、このクリップに紙を挟んで設置する。MVP-1では、クリップの開閉をユニット本体の側面で行う必要があったため、一般的なクリップと異なるその動作に戸惑うことが多かったが、EN201では見事にこの問題が解消されている。紙に挟みやすいクリップのおかげで、メモの準備がサッと素早くできて、すぐに使い始められる。しかも、一度挟んだ紙がすり抜けにくくなっているので、ノートごと動かしてもユニット本体の位置がずれることはなく、書くことに集中できる。クリップには、普通紙で20枚まで挟むことができる。
EN201では、書きやすさを徹底的に追求したとしており、ペン先にもそのこだわりが見られる。EN201と従来品(MVP-1)とを比べると、ペン先が3mmほど長く飛び出していることに気づくだろう。このわずかな違いが、書きやすさを大きく向上させている。今までは、ペン先が見えにくいため、意図した位置からわずかにずれた位置に書いてしまうことがあったのだが、EN201ではそのようなことがない。また、書いている最中のペン先の沈み具合も調整がなされたようで、以前ほど深く沈み込む感じがなくなり、長文を書いていても疲れにくい。
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