UPDATE Microsoftは米国時間2月10日午前、サンフランシスコのユニオンスクエア近くにあるHANG ARTのギャラリーで「Internet Explorer 9」(IE9)のリリース候補(RC)版を公開した。
このRC版では膨大な数の改良点が新たに加わっており、「Windows 7」の32ビット版と64ビット版、および「Windows Vista」の32ビット版と64ビット版に対応している。改良点の中でも特に注目すべきは、新たな「ActiveX」フィルタ、HTML5および「次世代技術」標準への対応強化、そして広告主によるユーザーの行動追跡を防止する機能だ。行動追跡防止機能は、Mozilla Foundationが2月8日に公開した「Firefox 4.0 Beta 11」でも導入されている。
ベータ版からの機能変更は、主にセキュリティに重点が置かれているが、もちろんそれだけではない。新たに加わった「Do Not Track(追跡拒否)」機能は、Firefox 4と同じく、HTTPヘッダを用いてウェブ広告主がユーザーの行動を追跡できないようにする。ただし、Internet Explorer Business and Marketing部門のシニアディレクターを務めるRyan Gavin氏が2月9日のインタビューで語ったところによると、Firefox 4で実装された行動追跡拒否機能とは異なり、IE9ではHTTPヘッダとカスタマイズ可能なブラックリストの両方を利用するという。
「ツール」ボタンをクリックして開いたメニューから「セーフティ」を選択すると、サブメニューの中に「追跡防止」という選択肢がある。これをクリックすると「アドオンの管理」ウインドウが開き、新たに追加された「追跡防止」タブがデフォルトで表示されるので、ここでブロックしたいサイトを追加できる。この機能を有効化したら、あとはブラウズし始めるだけでよい。いくつかのサイトを閲覧した後に再度リストに戻ると、リストの内容が自動的に追加されているのが確認できるはずだ。
もう1つの新機能ActiveXフィルタでは、すべてのActiveXコンテンツをブロックした後、サイトを個別に選択して有効化できる。ActiveX技術がもたらし得る危険性をよく分かっていないユーザーのために説明しておくが、これを有効化するとブラウザを実行しているOSへの自由なアクセスを許可してしまうことになる。ActiveXフィルタによりユーザーは、ロケーションバーの右側に表示されるアイコンで有効化と無効化を切り替えて、サイトごとにActiveXを制限できる。
IE9のベータ版では、Microsoftの新JavaScriptエンジン「Chakra」によりパフォーマンスが劇的に向上したが、この流れはRC版でも続いている。RC版では、Firefox、「Google Chrome」「Safari」「Opera」という4つの主要な競合ブラウザとほぼ同程度のスピードを出せるようになった。またMicrosoftによると、IE9は実際にWebKitのベンチマークテスト「SunSpider」で、最速の結果を出したという。
さらにRC版では、新たにHTML5をはじめとする「次世代のウェブ」技術への対応も強化されている。これにはジオロケーション(地理位置情報)機能、HTML5のセマンティックタグ、CSS3の2D変形、動画コーデック「WebM」への対応などがある。これら機能は他のブラウザでも広く実装されているため、IEにもようやく搭載されたことで開発者たちはほっとしたに違いない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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