ようやくと言ったところか。この4年間というもの、ゴシップ、アナリスト予想、いわゆるリークで繰り返し語られてきたVerizon版「iPhone」が、とうとう現実のものとなった。正直なところ、うわさ話の記事を書かずにすむようになるのは素晴らしいことだ。もちろん、iPhone 4が米国の2つ目の携帯会社で使えるようになったというのは重要なことだが、スマートフォン市場はiPhoneが初めて登場した2007年に比べると飛躍的に成熟している。Verizonは多くの新規顧客を獲得するだろうが、同社のiPhoneは他の携帯会社との激しい競争にさらされるだろうし、Verizon自身のラインアップとの競争さえある。
このデバイスについて詳しく見ていく前に、価格と発売情報について記しておく。Verizonでの価格はAT&Tと横並びで、端末価格は16Gバイトモデルが199ドル、32Gバイトモデルが299ドルとなっているが、AT&Tとは違い、同社は上限なしのデータ通信料金プランを提供する予定だ。既存顧客はブラックのiPhoneを米国時間2月3日から事前予約でき、2月10日からは誰でも入手できるようになる。Verizonは1月11日、ホワイトの「iPhone 4」を同社のウェブサイトに掲載したが、同社の広報担当者は米CNETに対し、登場が遅れている同モデルの発売は、今春中になると述べている。
いくつかの変更点を除いては、Verizon版のiPhone 4はAT&Tのものとほとんど同じだ。第1に、AppleはCDMA用アンテナの採用に合わせて、端末左側面のサウンドオン/オフスイッチを下にずらした。このため残念ながら、現在出回っているiPhone 4用のバンパーは形が合わなくなる。この件についてはさらに調査中だが、Verizon版iPhoneの購入者は無料バンパーケースの対象とはならないようだ。
第2に、Verizon版端末のアンテナはデザインが変更されている。米CNETのBonnie Cha記者は、端末の試用時に、GSM版ではヘッドフォン用ジャックの横にあった溝が、左側面(サウンドオン/オフスイッチのあった場所)に移されているのに気付いた。「アンテナゲート」の問題で有名になった、左側面下の溝はそのままになっているが、米CNETが調べたところ、通話中にこの溝に触れても、受信状態が悪くなることはなかった(これについては後述する)。
正直なところ、VerizonのiPhoneで新機能が提供されるとは予想していなかったのだが、実際には5つまでのデバイスをサポートできるモバイルホットスポット機能「Personal Hotspot」が提供され、GSM版のライバルを出し抜いた。これは実際には新機能とは言えず、SprintもVerizonもT-Mobileもこの機能を持った携帯電話を提供しているのだが、Appleにとっては初めての採用となる。これによってVerizon版iPhoneは、モバイルコンピューティングデバイスとしてよりよいものになったと言えるだろう。ただし、この機能を使うには毎月20ドルの追加料金がかかる可能性もあるが、これはSprintの月額29ドルよりは安く、T-Mobileの14.99ドルよりは高い。
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