これまで自社で使用するためのプロセッサを開発してきたIntelが、他の集積回路メーカー向けのプロセッサ設計に手を広げている。
Achronix Semiconductorは米国時間11月1日、Intelが同社向けに、22ナノメートルプロセス製造技術を利用したプロセッサを開発する予定であると発表した。Intelが他の集積回路メーカー向けにプロセッサを設計するのは今回が初めてのことで、同社が社外顧客向けの委託製造を視野に入れていることを示している可能性がある。
カリフォルニア州サンノゼに本拠を置くAchronixは、Intelの22ナノメートルチップを使用して、独自のFPGA(Field Programmable Gate Array)を開発する。FPGAは、製造後にプログラムできる集積回路であり、顧客がニーズに合わせて構成を設定できる。
「Achronix Speedster22i」と名付けられた新しいFPGAは、他の製造技術を利用して作られたFPGAと比べて、パフォーマンスが300%向上するほか、電力消費量が50%抑えられ、コストも40%削減されるとAchronixは説明している。また、通信市場、ネットワーク市場、産業市場、および一般消費者市場での利用を想定しており、100Gおよび400GイーサネットネットワークやLTE規格モバイル通信などの利用を促進するものと期待しているとも述べた。
またSpeedster22iは、米国内で製造できる初の商用FPGA製品群となるため、軍事産業や宇宙産業など、セキュリティ上の理由から米国内で製造されるプロセッサを必要とする顧客も対象としている。
Achronixの最高経営責任者(CEO)John Holt氏は、声明で次のように述べている。「Intelは世界最高のプロセッサ技術を所有しており、当社はこの戦略的関係を構築できたことを大変うれしく思っている。この提携により、速度、電力、密度、および費用面での改善を同時に達成することが可能になった。Intelの先進的な22ナノメートルプロセスとAchronixの高度なFPGAテクノロジを組み合わせることによって、Speedster22iは他のFPGAソリューションをしのぐ存在となりうる。数年のうちには市場に登場する予定だ」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」