IDC Japanは11月1日、2010年上半期(1〜6月)の実績調査をもとに、クライアント仮想化ソリューション市場について分析を行い、その結果を発表した。それによると、クライアント仮想化ソリューション市場規模は、2010年は1921億円、2014年には5388億円に達すると予測している。
同市場の2009〜2014年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は32.9%で推移すると見ており、中でも、DaaS(Desktop as a Service:クライアント仮想化ホスティング)は同期間のCAGRが93.5%、2014年には市場規模で626億円、2010年末までに、30社以上のベンダーが参入すると予測している。
クライアント仮想化ソリューションの中核をなすクライアント仮想化ソフトウェア市場におけるライセンス数は、2010年上半期に約36万ライセンス(前年同期比32.3%増)出荷され、2014年には220万ライセンスまで増加するという。中でもデスクトップ仮想化ソフトウェア市場には多くのベンダーが参入しており、2009〜2014年のCAGRは70.6%と非常に高い成長率で推移するとしている。
一方、シンクライアント専用端末の出荷台数も景気後退から回復し、2010年上半期の実績値は約8万5000台で、前年比46.1%の成長となった。2010年以降もこの成長を維持し、シンクライアント化端末と合わせた出荷台数は、2014年に40万台超まで拡大するという。
IDC JapanでPC、携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストを務める渋谷寛氏は「2010年は経済状況も好転し、クライアント仮想化ソフトウェアの需要が飛躍的に高まった。特に大手金融業で1万台以上の大規模案件が顕在化し、デスクトップ仮想化によって、ITリソースの効率化あるいは稼働率向上という本来のベネフィットが評価されている。自治体/教育分野という、民間企業に比べてIT導入が進んでいない業種においても、デスクトップ仮想化は生産性向上の度合が高く表れ導入へと繋がっている。2010年は、デスクトップ仮想化がキャズムを超え、多くのユーザー企業に広く認知され、一般ユーザーに支持される重要な年となる。デスクトップ仮想化は、新しいワークスタイルを支える新世代のソリューションである」とコメントしている。
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