マカフィーは10月26日、仮想化環境に特化したセキュリティプラットフォーム「McAfee Management for Optimized Virtual Environments(MOVE)」の第1弾製品として、仮想デスクトップ向けのウイルス対策製品「McAfee MOVE Anti-Virus for Virtual Desktops(MOVE AV for Virtual Servers)」および仮想サーバ向けのウイルス対策製品「McAfee MOVE Anti-Virus for Virtual Servers(MOVE AV for Virtual Servers)」の提供を開始した。
MOVEはマカフィーが6月に発表した仮想化環境のセキュリティ管理最適化ソリューション。マカフィー取締役 常務執行役員 マーケティング本部 本部長の畠中有道氏は、「クラウドというトレンドがある中で、仮想化は無視できない」とMOVEソリューションに取り組む経緯を説明する。またマカフィー SE本部 本部長の松木誠志氏も、ガートナーの発表を引用して「70%の企業や団体が、サーバの一部または全体を仮想化する予定があり、2012年までに5800万台の仮想デスクトップ市場が見込まれる」と加速する仮想化市場の現状を語る。
しかしその一方で、セキュリティ設計が複雑化するほか、ハイパーバイザーを経由してマルウェアが拡散する可能性が生まれるなど、仮想化によって新たにセキュリティ上の課題が生まれていることを指摘。仮想化環境に適した、堅牢かつ運用性の高いセキュリティが必要だとした。
MOVE AV for Virtual Desktopsでは、エージェントのみをインストールし、スキャン自体はMOVE Anti-Virus(AV)サーバで実行する。これによってハイパーバイザー上で稼働する仮想デスクトップの集積密度が既存製品の約3倍向上するほか、仮想デスクトップあたりのメモリ使用量が40Mバイト削減されたという(いずれも同社の社内測定値)。MOVE AVサーバでのスキャン時には、キャッシュを活用することでスキャンの重複を防ぐほか、サーバを二重化して耐障害性を高めることもできる。
MOVE AV for Virtual Serversでは、ハイパーバイザーの負荷が高い場合にはスキャンの実行を延期するなど、業務とスキャンが競合してサーバのリソースが枯渇することを防ぐよう、最適化されている。オフライン環境の仮想マシンイメージをスキャンする「McAfee VirusScan Enterprise for Offline Virtual Images(VSE for OVI)」との混在環境にも対応する。いずれの製品も、MOVEの管理コンソール「McAfee ePolicy Orchestrator(ePO)」にてポリシーを一元管理できる。
価格はMOVE Anti-Virus for Virtual Desktopsが1ライセンス2520円(最低11ライセンスから。初年度サポート料込み)から、MOVE Anti-Virus for Virtual Serversが5万400円(最低1ライセンスから。初年度サポート料込み)からとなる。現時点ではMicrosoftの仮想化環境「Hyper-V」に対応していないが、今後対応する予定だという。
両製品の動作環境は以下の通り。
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