ヤマハは9月28日、新たな情報提供媒体として、音で情報を伝達する「サウンドサイネージ」を発表した。今秋から実証実験を実施する。
サウンドサイネージは、電極に電圧を与え振動膜を振動させて音を出す、厚さ1.5mmの静電スピーカー「TLF-SP」と、デジタル情報を音響信号に変調して伝送する音響データ通信技術「インフォサウンド」を組み合わせたシステム。サウンドサイネージでは、たとえば大型家電販売店の店内スピーカーや音の出る屋外広告から、クーポンやキャンペーンURLを直接携帯端末に配布できるようになるという。
TLF-SPは、ポスターのように平面状で使うとほぼ正面方向にのみ音を出せ、遠くにも明瞭な音を伝えることができる音響特性が特長という。インフォサウンドは、人間にはほとんど聞こえないが、通常のスピーカーで再生できる可聴帯域内の約18kHz以上の高域を利用しており、耐ノイズ性が高く10m以上の領域にデータを伝送できるという。インフォサウンドを携帯端末のマイクで受信するとURL情報に変換されるため、さまざまな情報を配信できるという。すでにインフォサウンドを利用するためのiPhoneアプリ「インフォサウンドブラウザ」をApp Storeで無料配信している。
実証実験ではサウンドサイネージの広告媒体としての効果を探り、ビジネスモデルの確立を目指すという。また、10月5日から開催される「CEATEC JAPAN 2010」では、サウンドサイネージを使って“音のスタンプ”を集める「サウンドスタンプラリー」を実施するとしている。
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