サンフランシスコ発--Research in Motion(RIM)は、世界中の人々に、もはや同社が退屈だがとても信頼のおける、折り目正しいスマートフォンメーカーというだけの存在ではないことを知らしめた。
広まっていたうわさどおり、RIMは米国時間9月27日、当地で開催のデベロッパー向けカンファレンスBlackBerry Developer Conference(DEVCON)の開幕を告げる基調講演で、同社初となるスマートフォン以外のデバイスを発表した。同社はそれを「BlackBerry PlayBook」と呼んでいる。
PlayBookは、遊びよりも仕事をする人々をターゲットとしたデバイスで、同社はこれを「初のビジネス用タブレット」と呼んでいるが、オフィス以外の世界を無視しているわけでは決してない。実際に、RIMは中心ユーザー層として信頼できるビジネスユーザーに力を入れているものの、新たなOSで大胆な動きも見せている。新OSでは(生産性アプリに加えて)頭を使わずに楽しめるさまざまな種類の娯楽アプリが実現し、「iPad」にさえないような機能が追加される。
PlayBookは、米国では2011年初頭に発売予定で、米国外には2011年第2四半期に提供予定とのことだが、具体的な日程はまだ明らかにされていない。
PlayBookは7インチのタッチスクリーンを採用しており、厚さは10mm以下で、前面と背面にカメラを搭載しビデオ会議が可能となっている。また、1GHzのデュアルコアチップと1GバイトのRAMを備え、1080pのHDビデオ再生、Wi-Fi、HTML5形式とFlash形式のビデオに対応している。
内蔵ストレージの容量がどの程度になるかはまだはっきりしないが、イベントで披露されたプロトタイプには16Gバイトのものと32Gバイトものがあった。そのほかにも、まだ回答されていない大きな疑問がいくつかある。ビジネス使用にとって重要なバッテリ持続時間や、3Gまたは4Gのデータプラン契約オプションの有無などだ。現時点では、インターネットに接続するにはWi-Fi経由か、「BlackBerry」に接続して携帯電話の電波を使うしかない。
RIMの社長兼共同最高経営責任者(Co-CEO)であるMike Lazaridis氏は、基調講演の冒頭でデベロッパーたちにPlayBookを披露した(ただし実際に動作のデモは行わなかった)。同氏は、PlayBookを「BlackBerryにすでにあるものを増強したもの」と言い表し、すでにBlackBerryを使用しているユーザーであれば非常に簡単に使えるという点を強調した。
Lazaridis氏は、すでに自分のBlackBerryを使い慣れて気に入っている人や、会社から支給されている人など、既存ユーザー層に賢くアプローチしている。PlayBookは何も変更することなく、「BlackBerry Enterprise Server」と適切に連携するように設計されている。そのために新しいソフトウェア、セキュリティ、サーバ、データ通信プランは必要ない。
RIMによると、すでに25万台のBlackBerry Enterprise Server搭載サーバを企業顧客が使用しているという。それならば、新しいデバイスの設定やセキュリティ対策の方法を知る必要なく、従業員にタブレットを支給してすぐにPlayBookを使用できるようにしたいという企業に、簡単に売り込むことができるだろう。
またRIMは、ビジネスユーザーにとって便利な機能をいくつか追加した。例えばHDMIビデオ出力端子があるため、会議でプレゼンテーションやビデオを見せることができるし、前面と背面にカメラを搭載しているのでビデオ会議を行うことができる。
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