Dellに対する投資家の不満は、今や同社の創業者であり会長兼最高経営責任者(CEO)を務めるMichael Dell氏に向けられている。
米国時間8月12日に開催されたDellの株主総会で、同社の株主の25%がMichael Dell氏の取締役再任に対する支持に保留票を投じたことがわかった。この数字は、約15億票ある投票総数のうち約3億7780万票に相当する。
75%はDell氏の会長職再任を承認したが、今回の「造反」票は不満を抱く株主がDellに突きつけた明確なメッセージだったと、議決権行使のコンサルティング会社Institutional Shareholder Services(ISS)の特別顧問であるPatrick McGurn氏は指摘している。
McGurn氏はThe Wall Street Journal(全文の閲覧には有料会員登録が必要)に対し、保留票が20%以上に達した場合は、「取締役会が留意し、注意を払う対象」になると述べた。
Dellの創業者という立場から、同社の顔的存在として認識されているMichael Dell氏にとって、「これは注意を促す警鐘に違いない」とMcGurn氏は付け加えた。ISSによると、2005年から2009年の間にDell氏が4%を超える保留票を得たことは1度もなかったという。
今回の支持低迷は、Dellがさまざまな問題や課題に直面する中で表面化した。同社の業績は収益、売上ともに過去数四半期で持ち直してはいるものの、現在の不況で大きな打撃を受けて以来、依然として立て直しに苦戦している状況だ。
財務実績以外の面に目を向けると、Dellは規制や会計に関する疑惑から抜け出せずにいる。同社は先ごろ、Intelからリベートを受け取って競合のAdvanced Micro Devices(AMD)製プロセッサを排除したとの疑いをめぐり、和解金1億ドルを支払うことで米証券取引委員会(SEC)と合意した。また、Michael Dell氏も民事制裁金として別途400万ドルを支払うことになっている。
このSECへの制裁金支払いに関しては、米国の大規模な労働組合である米国州郡市職員連盟(AFSCME)と米労働総同盟・産業別組合会議(AFL-CIO)が、Dellの投資家向けに8月初頭に送付した書簡の中で、Michael Dell氏に対し反対票を投じるよう求めていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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