米国時間5月5日、ラテン文字以外のドメイン名が初めてインターネット上に登場した。
The Internet Corporation for Assigned Names and Numbers(ICANN)は、その最初の言語としてアラビア語を選択し、国別コードトップレベルドメイン(TLD)を使用できる最初の3地域としてエジプトとサウジアラビア、アラブ首長国連邦を選んだ。つまり、これらの国に住む人々は自分たちの母国語の文字を使って、地域のウェブサイトのアドレスを入力できるようになる。
インターネットを世界中の国々にとってより使いやすいものにする取り組みを進めるICANNは2009年10月、韓国で開かれた年次会合で、国際化ドメイン名(IDN)を採用する案を承認した。ICANNは、世界各国に同組織のFast Track Processを通してTLDに関する要望を提出するよう呼びかけており、2009年11月以降において11種類の言語を代表する21件の要望を受理している。
ラテン文字以外の文字としてアラビア語を最初に選択したICANNは、同言語が今日のインターネット上で最も広範に使用されている言語の1つだと指摘した。ICANNによれば、現在、中東でインターネットを使用する人の割合はわずか20%強だが、同地域は非常に大きな成長の可能性を秘めているという。
Reutersによると、新しい非ラテン文字のTLDを使用するアラブ3カ国のうち、アラビア文字によるドメイン名を最初に作成したのはエジプトだという。エジプトの通信・情報技術省は5月6日、その新しいドメイン名である「.misr(エジプトを表すアラビア語)」はアラビア文字で記述されると発表した。新ドメイン名はTE DataとLink Registrar、Vodafone Dataの3社のインターネットプロバイダーに登録される予定だ。
「アラビア語ドメイン名の導入は、インターネットの歴史におけるマイルストーンだ」とエジプトのTarek Kamel通信・情報技術相は声明の中で述べた。「この偉大な一歩によって、エジプトでは電子サービスの新たな地平が開かれるだろう。エジプトのオンラインユーザー数は増加し、インターネットサービスは言語の壁を取り払うことによって新たな市場セグメントにリーチできるようになる」(Kamel通信・情報技術相)
国がTLDの要望を提出するには、Fast Track Processで3つの手順を踏む必要がある。まず、どのドメイン名に申し込むか、それをどのように運用するのか、そして誰がそれを運用するのかについて、自国のコンセンサスを得なければならない。その後、その技術および言語に関する要件を詳述した要望をICANNに提出する。そして、必要基準を満たす要望は、最終的な承認審査にかけられる。これまでのところ、ICANNは13件の要望について、このプロセスの第2段階に合格したことを認めている。
URLに非ラテン文字を入力し閲覧するには、ブラウザがIDNをサポートしている必要がある。「Internet Explorer(IE)」「Mozilla Firefox」「Google Chrome」「Opera」、そして、Appleの「Safari」という5大ブラウザの最新版は、IDNをサポートしている。なりすまし攻撃に対する防衛手段として、それらのブラウザの多くは、ホワイトリストおよびブラックリストに基づいてIDNの表示を許可、または制限する。
さらに、ブラウザがサポートする文字セットのリストに、それぞれの言語を追加する必要がある。5大ブラウザで非ラテン文字の表示を有効にする手順は、ICANNのブログで説明されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
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