Steve Jobs氏は「iPad」が「魔法のよう」で「革新的」だと言い張っているが、今までのところiPadの用途には多くの人が当惑させられている。
価格が499ドルから829ドルの間であるにもかかわらず、一部では嘲りをこめて「『iPod touch』の強化版」と表されている、このタッチスクリーン式電子書籍端末兼ウェブタブレットを、Appleはどう説明するのだろうか。ハイテクマーケティング分野で教育や業務の実績を積んでいる専門家は、これは結局のところマーケティングのまさに基本だと言う。つまり、どうすればこのデバイスの自慢げな新規オーナーをもっと幸せにし、より格好良く見せ、退屈な長たらしい技術仕様書ではなく生活に満足させられるかに、重点的に取り組むということだ。
一部の(いや、多くの)人々が、iPadを欲しいかどうか、あるいは必要とするかどうかを判断する際に直面する問題は、Appleそのものよりももっと大きい、あることに由来している。
カリフォルニア大学バークレー校ハースビジネススクールの、技術マーケティングの専門家Rashi Glazer氏は、「この製品は、新しいテクノロジで一番重要な、適合性の問題にぶつかっている製品の1つだ」と述べる。「現在人々が行っていることに適合するだろうか。人々が行動様式を変えようとするだろうか」(Glazer氏)
Appleは、iPadを購入するよう人々を説得するためには、消費者が自分にとって快適な領域の外にあるものを受け入れることを期待する必要があるだろう。消費者は、フルサイズのバーチャルキーボードでタイプしたいと思うだろうか。また、書籍(さらには雑誌や新聞)を電子形式で購入することに満足するだろうか。あるいは、もっと重要なことだが、実質的に自分がすでに所有している複数のデバイスの機能を組み合わせた製品に、お金を払うだろうか。
Appleのものはすべて好きだから、そしておそらくは、それを買う余裕があるからという理由で、反射的にクレジットカードを手渡す人もいるだろう。しかし、そのようなマニアだけでは十分でない。難しいのは、アーリーアダプター以外の人々を獲得することだとGlazer氏は言う。アーリーアダプターは「初期の売り上げをある程度活気づける。しかし次に、(ほかのすべての人にとって)『何がこの製品の本当の利点か』と問わなければならなくなる」(Glazer氏)
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