任天堂によると、米国のゲーム機市場における任天堂のシェアが2009年に6割を超え、現行の据え置き型ゲーム機ではWiiが最もソフトの売れたプラットフォームになったという。
これは1月29日に開催された2010年3月期第3四半期の決算の場で明らかにしたもの。
Wiiについては2009年3月以降、前年を下回る状況が続いていたが、12月にはほかのゲーム機も含めて月間の販売最高記録となる381万台を販売。「勢いを取り戻した」(任天堂)という。ニンテンドーDSについても、4月にニンテンドーDSiを投入したことで好調となり、年間で1122万台を販売した。これは米国のゲーム市場における年間販売の最高記録になったという。
米国の家庭用ゲーム機市場における任天堂のシェアは初めて6割を超え、60.8%に達した。ソフト市場においても53.5%のシェアを獲得している。Wii対応ソフトの累計販売本数は1億7804万本となり、PlayStation 3、Xbox360と比べて最もソフトが売れたプラットフォームになったという。
なお、日本国内におけるゲーム機シェアは56.4%。前年比でわずかに上回ったものの、2009年前半におけるヒットタイトルがなかったことが響いた。2009年11月21日に発売したニンテンドーDSi LLの販売台数は70万台にとどまっている。ソフト市場におけるシェアは前年を下回る65.2%となった。
欧州でもゲーム機のシェアが61.2%、ソフト市場のシェアが51.2%と前年を下回っている。ヒットタイトルがないことに加え、小売店の仕入れ姿勢が慎重になってきたことなどが要因と分析している。
ソフトの販売増に向け、任天堂では国内6店舗において、試験的に「Wii・DSソフト お探しガイド」という筐体を設置している。多くのゲームソフトの中から、さまざまな条件で好みに合うソフトを探し出せるようにしたもので、「ソフトの選択肢が多すぎて選べない」ということをなくし、機会損失を減らしたい考えだ。
このほか2010年には、「ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー」を欧米で3月に発売する。また、4年ぶりとなるポケットモンスターシリーズの最新作をニンテンドーDS向けに投入する。Wiiではモノリスソフト制作のロールプレイングゲーム(RPG)「ゼノブレイド」を春に、テクモと共同開発したアクションゲーム「METROID Other M」を夏に、ミストウォーカーと共同開発したRPG「ラストストーリー」を年内に発売する計画だ。さらに、米ゲーム展示会「Electronic Entertainment Expo(E3)」ではバイタリティセンサーを活用したソフトや、ゼルダシリーズの最新作も発表するとしている。
なお、2010年3月期第3四半期の業績は売上高が前年同期比9.3%減の6341億円、営業利益は同22.8%減の1922億円、純利益は同81.9%増の1231億円となっている。
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