米国時間1月6日、Net Applicationsがブラウザの市場シェアに関する年次報告を発表した。それによると、2009年はMicrosoftの「Internet Explorer」(IE)を除き、すべての主要ウェブブラウザが市場シェアを伸ばしたという。
2009年末の時点で、Mozillaの「Firefox」とGoogleの「Chrome」はシェアを前年比で3%前後増加させ、Appleの「Safari」も約1%シェアを伸ばした。「Opera」はほぼ横ばいだが0.23%の微増だった。一方、IEのシェアは8ポイント近く減少した。
人気が落ちたとはいえ、IEのシェアは62.69%と、他社のブラウザをすべて合わせたよりも大きい。
Firefoxのシェアは24.61%で、Chromeが4.63%、Safariが4.46%、Operaが2.4%と続いている。
Microsoftは2009年に新バージョンの「IE 8」をリリースしたが、それでもIEのシェアは長期低落傾向が続いた。IE 8をもってしてもこの流れは止められないだろうと、Net Applicationsではみている。長い間、IEは事実上ライバルがいない状態が続き、トップの座にあったMicrosoftには機能拡張やイノベーションを行う理由がほとんどなかった。Firefoxの利用率が上昇しはじめ、Chromeがブラウザのランキングに顔を出す中、MicrosoftはIE 8を発表し、新機能でIEのシェア減少を食い止められるものと期待した。しかし、市場にはさらに多くのブラウザが登場し、競争はかつてないほど厳しくなっている。これまでのところ、IE 8にはIEが失った市場シェアを取り戻すほどのインパクトはない。
また欧州では、Microsoftのブラウザをめぐる環境に暗雲が垂れ込めている。2007年、IEがデスクトップ向けブラウザを独占しているとして、ノルウェーに本社を置くOpera SoftwareがMicrosoftを調査するよう欧州委員会に働きかけた。欧州委員会を納得させるため、Microsoftはブラウザ12種類を表示する「Choice Screen」(選択画面)を用意し、インストールしてデフォルトに設定するブラウザをユーザーに選ばせる措置を取ることが決まった。Choice Screenがどのような影響を及ぼすかはまだはっきりしないが、Net Applicationsでは、これにより欧州のブラウザ市場シェアが大きく変わると考えている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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